『ルノワール』主演の鈴木唯、カンヌで審査委員長ジュリエット・ビノシュから金言授かる
第78回カンヌ映画祭のコンペティション部門に選出された早川千絵監督の『ルノワール』のジャパンプレミアが3日、東京・新宿ピカデリーで行われた。早川監督は主演の鈴木唯をはじめ石田ひかり、リリー・フランキー、中島歩、河合優実、坂東龍汰とともに上映前の舞台挨拶に登壇した。
カンヌでは受賞にこそ届かなかったものの、海外メディアからも高い評価を受け、世界41の国と地域での配給も決定。特に12歳の鈴木は、「カンヌが注目すべき10人の才能」の1人に選ばれ、「よく分からないけれど、凄いなあと思う。うれしいけれど、ちょっと緊張もします」と照れくさそうな表情を見せた。
11歳の少女フキが、闘病中の父と仕事に追われる母との間で揺らぎながら大人の世界を垣間見る一夏の成長物語。父親役のリリーは、「唯ちゃんのみずみずしい演技に、何かになりかけている途中の生々しさが乗っかって注目されてしかるべき」と絶賛。早川監督も、「唯ちゃんが自然体でいてくれたので、撮影が楽しかった。ピリッとした雰囲気はなかったですね」と満足げに振り返った。
カンヌに滞在中、昼食をしていた店でコンペの審査委員長のジュリエット・ビノシュに遭遇。すると鈴木が近づいていき、「演技はどうやっているんですか?」と直接質問をしたことを告白。「最初はそこまで凄い女優さんだとは思っていなくて聞いたけれど、『演技はただそこにいるだけが大事。あまり練習しすぎないこと、五感以外にも第六、第七感がつくれるといいね』と教えてくれました」と金言を授けられたことを明かした。
この強心臓ぶりにリリーは、「俺も後ろからついていったおかげで握手ができた」と恩恵にあずかり大喜び。母親役の石田も「ビノシュさんも真剣に答えてくれたよね」と“娘”を頼もしそうに見つめていた。
『ルノワール』は、6月13日に全国で公開される。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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