『We Live in Time この時を生きて』幸せな日も涙があふれる日も、どんな瞬間も大切にしたくなる感動の物語
『ブルックリン』のジョン・クローリーが監督を手がけ、新進気鋭の映画スタジオA24が北米配給権を獲得した『We Live in Time この時を生きて』が、2025年6月6日(金)に公開される。
突然の出会いから、恋に落ち、家族になったアルムートとトビアス。そんな中、アルムートの余命がわずかだと分かり、残された時間を大切に生きていく2人の姿を描く。
最悪な日も幸せな日も、どんな瞬間も大切にしたいと気付かせてくれる感動の物語だ。
新進気鋭の一流シェフであるアルムートと、離婚して失意のどん底にいたトビアス。何の接点もなかった2人が、突然の出会いを果たして恋に落ちる。自由奔放なアルムートと慎重なトビアスは、何度も危機を乗り越えながらも、一緒に暮らし娘が生まれ家族になる。そんな中、アルムートの余命がわずかだと知った2人が選んだ、型破りな挑戦とは…。
アルムート役を『ミッドサマー』、『サンダーボルツ*』のフローレンス・ピュー、トビアス役を『アメイジング・スパイダーマン』シリーズのアンドリュー・ガーフィールドが演じる。
余命わずかな主人公を描いた作品は多くあるが、本作の特徴は2人の出会いから数年間、半年間、そして2人の子どもが生まれる1日という3つの時間軸がバラバラに登場する点だ。
その時間軸の交錯が、タイムリープ映画やファンタジー映画を観ているような、夢のような感覚に浸らせてくれる。
だが、同時にリアリティも感じさせる。イギリスのハーンを舞台にした理由を、クローリー監督は「格別に華やかな街ではないから」と説明する。作り込まれた街ではないことが、物語に真実味を持たせている。
衣装においてもリアリティを追求しており、「生活の変化とともに服装を変えることで、アンドリューもフローレンスもすごく素敵だけどさっきまでその辺りの道を歩いていた、地元の人たちのように見える」とクローリー監督は語る。
ゆらゆら漂う3つの時間軸の間に、ロケ地や衣装で追求した真実味が、独自の世界観を描き出していく。
また、手持ちカメラで撮影されたドキュメンタリー風なシーンでは、その質感がアルムートとトビアスの感情を繊細に捉え、ドキッとするほど生々しく心に突き刺さる。
最近では、『デューン 砂の惑星 PART2』や『サンダーボルツ*』への出演で強いイメージを抱かれるフローレンス・ピュー。本作では余命わずかなアルムートを演じているが、力強さと対比するように、ふと見せるやるせなさや儚さがいっそう濃く感じられる。これまで見たことのない、新たなフローレンスの魅力を感じるはずだ。
さらに、夫婦役のフローレンスとアンドリューの息もピッタリだ。
アンドリューは、初めてジョン・クローリー監督とタッグを組んだ『BOY A』(2007年)で、重い罪を犯し出所して新たな人生を歩む少年を演じた。本作では、物静かに妻を支え続けるトビアスを熱演。ときおり見せる大きな愛がつまった笑顔が、夫婦のかけがえのない瞬間をさらに色鮮やかに彩る。
『We Live in Time この時を生きて』を観てから、ブロードウェイミュージカル『RENT』の名曲「Seasons of Love」が思い浮かぶようになった。
「52万5600分の貴重な瞬間、1年を計る基準は何?人生をどう数える?」
何気なく日々を生きていると、人生には限りがあることをつい忘れてしまう。特に、10代の頃はなぜか人生が永遠に続くような気分にさえなっていた。
アルムートの生命力溢れる姿を通して、限りある人生を「どんな自分で在りたいか」「どんな人生を描いていきたいか」と考えさせられる。
時間に限りあるからこそ、過去の後悔や未来への不安ばかりに気を取られず、今この瞬間を味わっていきたい。そんな生き方をしたくなるほど、心に刻みたい人生の美しさに溢れた作品なのだ。
【予告編】
【作品情報】
タイトル:『We Live in Time この時を生きて』
公開日:6月6日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
監督:ジョン・クローリー
出演:フローレンス・ピュー、アンドリュー・ガーフィールド
配給:キノフィルムズ 提供:木下グループ
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