ムロツヨシ、福田雄一監督への直談判で実現した『新解釈・幕末伝』の坂本龍馬に「やりがい感じた」
		俳優のムロツヨシと佐藤二朗がダブル主演する映画『新解釈・幕末伝』の「決起会見」と題した完成報告が4日、東京・ホテル椿山荘で行われた。
福田雄一監督が史実をベースに、坂本龍馬や西郷隆盛の人物像に独自の視点で深く切り込んだコメディ。2人は同監督の長編映画20作品中19本に出演している盟友だが、ともに初主演となる。

今作のきっかけはムロ自身で、コロナ禍の間に「やりたいことリスト」を作成。その中に「福田組を背負う立場になりたい」というものがあり、コロナが明けてから直談判。福田監督から「二朗さんと一緒なら自分が一番やりたいことができる」とのリクエストを受け、今度は佐藤に相談を持ち掛けて快諾を得たことで企画が動き出した。
ムロは龍馬役で、今回のキャラクターを「何もやっていないくせに、人の間に入って仲のいいふりをして溶け込むヤツ。自分でしゃべっていてもひどい」と自虐。しかし、「福田監督は思いついた言葉で作り話をしているイメージだと思うが、史実をしっかりと並べて、もしかしたらこんなヤツだったかもと思える。とてもやりがいを感じました」と力説した。

西郷役の佐藤も、「福田は適当にやっていますという感じだが、その前の膨大なシンキングタイムは一切明かしていない。それが今回は初めて、熱い思いを持ってちょっと汗をかきながら(脚本を)書きましたと話していた」と、これまでとの違いを強調。その上で、「ギャグ映画ではなく喜劇というところが凄く腑(ふ)に落ちて、ある種の新境地になった」と太鼓判を押した。
こちらも福田組常連で桂小五郎役の山田孝之を交えた3人による、薩長同盟について話し合うシーンは脚本で38ページに及ぶ長丁場。山田が「どうやっても撮れるわけがない」と一度は脚本を閉じ、しかも事前の読み合わせは禁止という過酷な状況。だが、佐藤は「ムロが笑いをつむぎ出して退屈しなかった。大きな見どころの一つ」と自信をのぞかせた。

広瀬アリスは龍馬の妻・おりょう役で福田組に初参加。時代劇にも関わらず全身タイツのシーンがあるなどの洗礼を浴びたが、「脚本を読んで、これをノリノリで演じられるのは私くらいと思った。それまで重めの恋愛ドラマをやっていたので、モヤモヤを発散させようと声量と勢いでいきました」と満面の笑み。ムロも、「ホームのような感じで演じてくれた。アリスちゃんが主役と言っても過言ではない」と感心していた。
『新解釈・幕末伝』は、12月19日に全国で公開される。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元

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