『プレデター』全シリーズ映画ランキング!最新作『プレデター:バッドランド』は何位?
1987年に初めて公開されて以来、宇宙でもっとも危険な種族“ヤウージャ”と人類の死闘を描き続けてきた『プレデター』シリーズ。2025年にはダン・トラクテンバーグ監督が手がける最新作『プレデター:バッドランド』が公開され、7年ぶりに新たなステージへと再び歩みを進めた。そこで、本記事では『プレデター』全シリーズをランキング形式で振り返る。
※本ページはプロモーションが含まれています。記事で紹介した商品を購入すると売上の一部が THE HOLLYWOOD REPORTER JAPANに還元されることがあります。
※本ページの情報は、2025年11月14日時点のものです。最新の配信状況は各公式サイトにてご確認ください。
9位 『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』(2007)

グレッグ&コリン・ストラウス兄弟が監督を務めた『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』(2007)は、前作のラストで誕生した“プレデリアン”が、アメリカ・コロラド州の小さな町を襲うところから幕を開ける。プレデリアンはゼノモーフの卵を抱えており、次々と孵化と感染が広がっていく。人類壊滅の危機に対し、抹殺のために現れるのがプレデターの戦士・ウルフだ。
スティーヴン・パスクァール、ジョニー・ルイス、クリステン・ヘイガー、デヴィッド・パートコー、アリエル・ゲイド、レイコ・エイルスワース、ジョン・オーティスらが、エイリアンと核攻撃という二重の脅威から逃れようとする人間たちを演じている。
作品には、西部劇的な雰囲気や、シリーズでは初となるウェイランド・ユタニ社の前身“ユタニ”(演:フランソワーズ・イップ)の登場など、ファン心をくすぐる要素も盛り込まれている。しかし、照明が極端に暗く、アクションや流血シーンがほとんど見えない点は大きな難点。潜在的な魅力を秘めながらも、映像の暗さが作品の迫力を奪ってしまった。もし再編集で明るく生まれ変われば、再評価される可能性のある一作だ。
▼Amazonプライムビデオでは、プライム会員なら1万作品以上の人気映画やテレビ番組が見放題、さらに新作映画や最新ドラマなどを1作品からオンラインでレンタル、または購入することが可能!
8位 『エイリアンVSプレデター』(2004)

1990年の『プレデター2』で続編が示唆され、コミックやゲームで人気を集めた後に映画化された『エイリアンVSプレデター』(2004)。ポール・W・S・アンダーソンが監督を務め、『エイリアン』シリーズ4作の前日譚としても位置づけられている。物語は、実業家チャールズ・ウェイランド(演:ランス・ヘンリクセン)に雇われた探査隊が、南極の氷の下に眠る巨大なピラミッドを調査するところから始まる。
リーダーのアレクサ・ウッズ(演:サナ・レイサン)率いるチームは、そこでエイリアン・クイーンを目覚めさせてしまい、彼女を狩るため3体のプレデターが地球へ降り立つ。プレデターが人間を“狩りの儀式の供物”として利用していたという設定は、SF作家エーリッヒ・フォン・デニケンの理論を思わせるものだ。人種的に微妙な描写もあるが、観客の期待どおり、エイリアンとプレデターの壮絶な戦闘が繰り広げられる。
最大の魅力は、特殊効果会社ADIによる精巧な実物スーツやメイクにあり、CGでは得られない重量感を実現している。アンダーソン監督のアクション演出も冴え、シリーズ中でも見応えのある一本だ。特にアレクサのキャラクターはリプリーを彷彿させるとも評され、公開当時は観客から強い支持を得た。テーマ性こそ薄いものの、モンスター映画としての満足度は高く、今も根強い人気を誇るエンターテインメント作品である。
7位 『ザ・プレデター』(2018)

『ザ・プレデター』(2018)は、シェーン・ブラック監督が『アイアンマン3』(2013)や『ナイスガイズ!』(2016)で成功を収めた直後に手がけた新作として、大きな期待を集めた。ボイド・ホルブルック、スターリング・K・ブラウン、キーガン=マイケル・キー、ジェイコブ・トレンブレイ、オリヴィア・マンら豪華キャストが名を連ね、“史上最大のプレデター映画”と謳われたが、結果は惜しくも期待を下回るものとなった。
最大の要因は、作品内容以外のトラブルにある。ブラック監督が性犯罪歴を持つ俳優を起用していたことが発覚し、共演者オリヴィア・マンの告発により騒動が拡大。撮影済みシーンの削除や再撮影が相次ぎ、現場は混乱した。物語自体は興味深く、PTSDを抱える兵士たちがプレデターを追い、人間のDNAを取り込んだ進化体と対峙するという設定もユニークだった。
ブラック監督らしいブラックユーモアや暴力描写も光るが、編集の乱れで物語が断片的になり、キャラクターの扱いも雑に感じられる。さらに、オリジナル版のダッチ(演:アーノルド・シュワルツェネッガー)のカメオ登場案が実現しなかったのも残念な点だ。『ザ・プレデター』は決して駄作ではないが、期待値の高さに制作の混乱が追いつけなかった“惜しい作品”といえる。
▼ディズニープラスでは、ディズニー/ピクサー、マーベル、スター・ウォーズなど多様なコンテンツを配信中!

6位『プレデター2』(1990)

スティーヴン・ホプキンス監督による『プレデター2』(1990)は、舞台を中米のジャングルからロサンゼルスの熱気あふれる街へと移した続編だ。前作から10年後を描き、『リーサル・ウェポン』で知られるダニー・グローヴァーが、高所恐怖症で命令に背きがちな刑事マイク・ハリガンを演じる。彼は、コロンビアとジャマイカのギャング抗争の裏で起きた連続殺人事件を追ううち、超常的な存在――プレデターの存在に迫っていく。
作品全体は過剰なエネルギーに満ち、ギャング戦争、銃撃、汗だくの登場人物、そして下品なセリフの応酬と、まるで薬物に酔ったかのようなテンションが続く。人種描写もステレオタイプ的で、今では時代を感じさせる部分もあるが、その暴走ぶりこそ本作の魅力でもある。中でも、ゲイリー・ビジー演じる特別捜査官のキースは異彩を放つキャラクターだ。
クライマックスでは、ハリガンがプレデターの宇宙船に潜入し、ヤウージャの長老たちと対峙。ここでエイリアンVSプレデターの神話が初めて示され、シリーズ史に残る名シーンとなった。荒削りながらも、独特の熱と迫力を放つ異色の続編である。
5位『プレデターズ』(2010)

『プレデターズ』(2010)は、スピンオフを除けばシリーズ3作目となる長編映画であり、長い沈黙を破って登場した続編だった。製作はロバート・ロドリゲス、監督はニムロッド・アーントル。主演のエイドリアン・ブロディは『戦場のピアニスト』で知られる俳優で、アクション映画の主役としては意外な人選だったが、その冷静で鋭い演技が物語の緊張感を支えている。
ブロディ演じる傭兵ロイスは、気づけば見知らぬ惑星に落とされており、同じく集められた兵士や犯罪者たちとともに生き延びようとする。仲間にはトファー・グレイス、アリシー・ブラガ、マハーシャラ・アリ、ウォルトン・ゴギンズ、ダニー・トレホ、ルイ・オザワらが名を連ねる。彼らが囚われた惑星は、プレデターたちが獲物を狩るために作り上げた“狩猟保護区”であり、ヘルハウンドと呼ばれる獣や高度な罠が待ち受けている。
やがて一行は、長年生き延びてきた男ノーランド(演:ローレンス・フィッシュバーン)と遭遇。彼の狂気と孤独の中に、極限の恐怖が映し出される。裏切りと死闘の果てに描かれる終盤は、初代『プレデター』へのオマージュに満ちた熱い展開だ。公開当初は賛否両論だったが、特撮の完成度やブロディの演技が再評価され、現在ではシリーズの中でも異色かつ骨太な一作として位置づけられている。
4位『プレデター:最凶頂上決戦』(2025)

『プレデター:最凶頂上決戦』(2025)は、シリーズ初のアニメーション作品として制作された注目作だ。監督は『プレデター:ザ・プレイ』(2022)で高評価を得たダン・トラクテンバーグ。彼が「現代のヤウージャ語り部」として、3つの時代を舞台にプレデターとの死闘を描くアンソロジー形式で挑んだ。
第1章「盾」では841年のスカンディナビアを舞台に、バイキングの女戦士ウルサが部族を襲うプレデターへの復讐に燃える。第2章「剣」では1609年の日本を舞台に、サムライの宿命を背負うケンジとキヨシが異界の脅威と対峙。第3章「弾」では1942年、若き米兵トーレスがプレデターの戦闘機と命懸けの空中戦を繰り広げる。そして最終章では、時代を超えた3人の戦士がコールドスリープから目覚め、異星の剣闘士バトルに挑む。
アニメーションは単なる形式的選択ではなく、重厚な映像美とリアルなアクションを実現する最適解として機能しており、作画、音響、音楽、時代考証のいずれも劇場級の完成度を誇る。さらに『ターミネーター』『エイリアン』に続き本作にも関わったマイケル・ビーンの声の出演や、ダッチやハリガンら歴代キャラクターの登場がシリーズの未来を示唆する。『プレデター』の新章がここから始まる。

3位『プレデター』(1987)

「奴が血を流すのなら、奴を殺すことができる」――この名セリフが象徴するように、『プレデター』(1987)はアクション映画の金字塔だ。監督はジョン・マクティアナン。脚本を手がけたトーマス兄弟は当初、複数の異星人がさまざまな惑星を狩る物語を書いたが、最終的に“ひとりの狩人”と人間の死闘に焦点を絞った。
当初プレデターを演じる予定だったジャン=クロード・ヴァン・ダムは、スーツの不満から降板。特殊効果の巨匠スタン・ウィンストンがデザインを一新し、ケビン・ピーター・ホールがスーツアクターを務め、伝説的モンスターが誕生した。舞台は中米のジャングル。特殊部隊リーダーのダッチ(演:アーノルド・シュワルツェネッガー)と仲間たちは、姿なき敵に次々と倒されていく。豪華キャスト陣の結束がリアルな緊張感を生み、仲間を失う痛みが深く響く。
プレデターの素顔が現れる瞬間は何度見ても圧巻で、観客は“未知の生物”のリアリティに息を呑む。ダッチが文明の力を捨て、本能だけで生き残りを賭ける姿は、人間の原始的な闘争本能を象徴している。『プレデター』は、最強の男が恐怖と無力に直面する瞬間を描いた究極のサバイバル映画なのだ。
2位『プレデター:バッドランド』(2025)

『プレデター:バッドランド』(2025)は、これまで“人間が狩られる側”として描かれてきたシリーズを反転させ、初めてプレデターを主人公に据えた作品だ。監督は『プレデター:ザ・プレイ』(2022)やアニメ『プレデター:最凶頂上決戦』(2025)でシリーズを再生させたダン・トラクテンバーグ。本作で彼は、映像、物語、トーンすべてを刷新し、弱者の視点から“狩る者の物語”を描き出す。
主人公はヤウージャ族の落ちこぼれ戦士デク(演:ディミトリアス・シュスター=コロアマタンギ)。一族に認められる最後の試練として、死の惑星ジェナで巨大怪物の討伐に挑むが、墜落事故で装備を失い孤立する。やがて彼は、下半身を失ったユタニ社製アンドロイドのティア(演:エル・ファニング)と出会い、協力して生き延びようとする。
激しいアクションの中で、弱さが強さへと変わる過程が丁寧に描かれ、マッチョイズムの象徴だった第1作を見事に更新。ジョージ・ミラーの『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のように、アクションと感情が一体化している。パルプSFを思わせる壮大な風景も圧巻だ。人間が登場しない本作は、プレデターの文化や掟を掘り下げ、彼らの心の旅路を描くことでシリーズを再定義する。『プレデター』の未来を切り拓く、革新的な一作である。

1位『プレデター:ザ・プレイ』(2022)

『プレデター:ザ・プレイ』(2022)は、ダン・トラクテンバーグ監督によって生み出された、シリーズの新たな原点だ。1719年の北アメリカ大平原を舞台に、コマンチ族の若き女性ナル(演:アンバー・ミッドサンダー)が、部族の掟を破り狩人を目指す姿を描く。ある日、彼女は空を横切る光を目撃し、運命を感じて森へ入るが、そこで出会ったのは異星の狩人・プレデターだった。部族を脅かす存在との死闘が、彼女の覚醒の物語となる。
本作はアクションだけでなく、文化的リアリティの追求に徹底している。プロデューサーのジェーン・マイヤーズ(コマンチ・ネーション出身)の監修のもと、衣装や小道具、馬の扱いに至るまで歴史的正確さが貫かれた。また、キャスト自身が吹き替えた“コマンチ語版”が制作され、世界初のコマンチ語長編映画となった。
ナルはこれまでの筋肉至上主義のヒーロー像を刷新し、知恵と技術で戦う新時代の戦士として観客を魅了。原始的な武器を操るプレデターとの戦闘はシリーズ屈指の迫力を誇る。狩る者と狩られる者の関係を再定義し、シリーズを再び蘇らせた傑作である。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
【関連記事】
- エル・ファニング、「ずっと背中にくくりつけられてた」――『プレデター:バッドランド』驚きの撮影エピソード
- 『プレデター:バッドランド』監督、ジェームズ・キャメロンの“まさかの本音”を告白 「うまくいかないと思われていた」
- 映画『エイリアン』シリーズ全9作ランキング、新作「ロムルス」は何位?
- SF映画のおすすめ13選!『ブレードランナー2049』ほかアクション超大作や、隠れた名作をご紹介
- 【保存版】2025年秋のおすすめDVD・Blu-Ray発売スケジュール|Amazon限定特典・豪華ラインナップ紹介
