『インランド・エンパイア 4K』2026年公開決定!デヴィッド・リンチ没後1年、名作5本で振り返る奇才の軌跡
鬼才デヴィッド・リンチ監督の最後の長編映画『インランド・エンパイア』が、監督自身の監修によって4Kリマスター化。『インランド・エンパイア 4K』として、2026年1月9日(金)より新宿ピカデリーほか全国順次公開されることが決定した。あわせて、ティザービジュアル、予告編、場面写真9点が解禁となった。
※本ページはプロモーションが含まれています。記事で紹介した商品を購入すると売上の一部が THE HOLLYWOOD REPORTER JAPANに還元されることがあります。
▼“カルトの帝王”デヴィッド・リンチ、最後の長編が4Kで甦る

2025年1月15日、78歳でこの世を去った映画監督デヴィッド・リンチ。1976年のデビュー作『イレイザーヘッド』以降、“カルトの帝王”として世界の映画文化に多大な影響を与えた巨匠だ。彼が最後に手掛けた長編映画『インランド・エンパイア』は、監督・脚本・撮影・音楽・編集まですべてリンチ自身が担った、最も実験的で濃密な一作となっている。
主演は、ローラ・ダーン。映画への主演が決まった女優ニッキーを中心に、現実と映画、虚構と意識の境界が次第に崩壊していく悪夢のような不条理劇が展開される。リンチは本作について、ただ一言「about a woman in trouble(トラブルに陥った女の話)」と語っている。
▼“撮影中に脚本が生まれる”―― リンチ流の創作過程

制作の発端は、ローラ・ダーンとの偶然の再会にあった。デヴィッド・リンチは彼女のために14項のモノローグ脚本を用意し、全体の筋書きを完成させないまま、各撮影現場で思いついたシーンを即興的に撮影していった。「次に何を撮るか自分でも分からなかった」とリンチは後年に語っている。
すべての映像は、SONY PD-150というデジタルビデオカメラで撮影され、ざらついた質感が物語の不安定さを際立たせている。日本の俳優・裕木奈江が出演している点もファンの間で話題となった。
▼4Kリマスターで蘇る、“最後にして最も過激な夢”
『インランド・エンパイア 4K』は、リンチ没後1年、そして初公開から20年という節目に劇場へと帰還する。ティザービジュアルは、監督が生前に最後に承認した本国版デザインを踏襲。ロサンゼルスの闇の中で浮かび上がるローラ・ダーンの表情が印象的な構図となっている。
予告編では、主演女優ニッキーが映画の中と現実の狭間で精神的に追い詰められていく姿が、断片的かつ鮮烈に映し出されている。また場面写真には、ウサギの頭を持つ人物たちや謎の記号「AXX°NN」など、理解を拒むような不条理なイメージが次々と現れ、リンチ的悪夢の真骨頂を味わうことができる。
映画『インランド・エンパイア 4K』は、2026年1月9日(金)より新宿ピカデリーほか全国順次公開。
▼『インランド・エンパイア 4K』予告編
▼デヴィッド・リンチの軌跡を辿る —— 5つの名作を再訪
『インランド・エンパイア 4K』公開を前に、デヴィッド・リンチが手がけた名作5本をプレイバック。いずれも彼の美学と狂気、そしてユーモアが結晶した傑作群となっている。
※本ページの配信情報は、2025年11月14日時点のものです。最新の情報は各公式サイトにてご確認ください。
『イレイザーヘッド』(1976)

デヴィッド・リンチの長編デビュー作『イレイザーヘッド』。5年を費やし自主制作されたカルト傑作で、奇怪な赤ん坊を育てる男が悪夢の世界へ堕ちていく。
▼Amazonプライムビデオでは、プライム会員なら1万作品以上の人気映画やテレビ番組が見放題、さらに新作映画や最新ドラマなどを1作品からオンラインでレンタル、または購入することが可能!
『ブルーベルベット』(1986)

デヴィッド・リンチが独自の世界観を確立した衝撃作『ブルーベルベット』。青年ジェフリー(演:カイル・マクラクラン)が片耳の謎を追ううち、愛と狂気が交錯する異常な欲望の世界へ踏み込んでいく。
◆U-NEXT、31日間無料トライアル実施中!見放題作品35万本、レンタル作品5万本を配信!(2025年7月時点)

『ワイルド・アット・ハート』(1990)

カンヌ国際映画祭にてパルムドールを受賞、愛と暴力が交錯するリンチ流ロードムービー。殺人犯セイラー(演:ニコラス・ケイジ)と恋人ルーラ(演:ローラ・ダーン)が逃避行に出るが、彼女の母が暗黒街に殺しを依頼する。
『ストレイト・ストーリー』(1999)

芝刈り機で兄に会いに旅立つ老人の実話を、鬼才デヴィッド・リンチが温かく描く感動作。人生の赦しと再生を描き、世界中で絶賛された。

『マルホランド・ドライブ』(2001)
![マルホランド・ドライブ 4Kリストア版 [Blu-ray]](https://hollywoodreporter.jp/wp-content/uploads/2025/11/91yd6d9n3UL._AC_UL480_FMwebp_QL6.jpg)
『マルホランド・ドライブ』は、夢と現実が交錯するハリウッドの闇を描いたリンチの最高傑作。ナオミ・ワッツが鮮烈な演技を見せ、カンヌ国際映画祭監督賞ほか世界の映画賞を席巻した。
記事/和田 萌

【関連記事】
- デヴィッド・リンチ氏が死去、スピルバーグ監督ら追悼の声続々唯一無二の夢想家
- 追悼デヴィッド・リンチ:ロサンゼルスの闇の桂冠詩人【寄稿】
- ホラー界の気鋭映画監督が選ぶ、“最恐”の名シーン6選 ― あの日本作品も!
- 【最恐に怖い映画15選】絶叫必至!ヒッチコックの名作 サイコやカルト的スリラー、超低予算の大ヒット作も
- Netflix映画『フランケンシュタイン』本予告が解禁 ── ギレルモ・デル・トロ監督の名作&おすすめ関連作も紹介








