大人のためのエモい映画12選 ―― 『ホールドオーバーズ』ほか冬の夜長に浸る名作集
クリスマスが過ぎ、新年を迎えるまでの数日間。仕事や学校が休みに入り、カレンダーから切り離されたような独特の停滞感が漂うこの時期を、英語では「The Lost Week(失われた1週間)」や「Twixtmas(トゥイックスマス)」と呼ぶ。
華やかな喧騒が去った後の物悲しさ、冷え切った空気、そして一抹の虚無感。そんな「心に穴が開いたような時期」にこそ没入できる、大人のためのムード溢れるエモい映画12選を紹介する。
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※本記事の情報は、2025年12月28日時点のものです。最新の配信状況は各公式サイトにてご確認ください。
大人のためのエモい映画12選
1. 『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』(2023)

ニューイングランドの全寮制学校を舞台に、雪に閉ざされた中で行き場をなくした3人の交流を描く。ポール・ジアマッティ演じる嫌われ者の教師が、孤独の中で見せる人間味が胸を打つ。冬の静寂と、凍てついた心がゆっくりと溶け出す過程を描いた、まさにこの時期にふさわしい一作だ。
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2. 『キャロル』(2015)

1950年代のニューヨーク。凍てつく窓、きらめくイルミネーション、そして抑圧された感情。ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラが演じるふたりの女性の恋は、美しくも痛切だ。12月後半のメランコリックな空気が画面全体から溢れ出している。
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3. 『ヒットマンズ・レクイエム』(2008)

ベルギーの古都ブルージュを舞台にしたダークコメディ。観光客がまばらな石畳の街で、所在なく過ごす暗殺者たちの実存的な孤独が描かれる。おとぎ話のような街並みと、彼らが抱える空虚な時間のコントラストが絶妙だ。
4. 『メトロポリタン』(1990)

マンハッタンの上流階級の若者たちが、クリスマスから新年にかけての時期に繰り広げる冷ややかな社交界の物語。ウィットに富んだ会話の裏に漂う倦怠感と、青春の終わりへの予感。この時期特有の「何も起こらない贅沢な時間」を象徴する作品だ。
5. 『ファントム・スレッド』(2017)

1950年代のロンドン。完璧主義の仕立て屋と若きミューズの、狂気にも似た愛の形。ポール・トーマス・アンダーソンによる本作は、冷徹な美しさと執着、そして毒を孕んでいる。ジョニー・グリーンウッドの贅沢な音楽が、冬の閉ざされた部屋の緊張感を高める。
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6. 『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(2001)

ウェス・アンダーソンが描く、絵本のようなニューヨークの物語。個性的でバラバラな家族が再会する本作には、特有の静かな孤独が漂う。グウィネス・パルトロー演じる毛皮のコートを纏ったマーゴがスローモーションで現れるシーンの、切なくも美しい空気感はこの時期の気分にぴったりだ。
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7. 『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(2013)

1960年代、フォークソング黎明期のニューヨーク。報われない才能を抱え、冬の寒空の下をさまよう男の姿を描く。後悔、停滞、絶望。コーエン兄弟が映し出す「報われなさ」の極致は、どんよりとした冬の日にこそ深く染み入る。
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8. 『20センチュリー・ウーマン』(2016)

サンタバーバラを舞台にした、世代の異なる男女の交流を描く半自伝的作品。物語を覆う「変化」のエネルギーが心地よい。冬の日に散歩に出かけたくなるような、切なくも温かい余韻を残す作品だ。
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9. 『アイス・ストーム』(1997)

舞台は感謝祭の週末だが、そこに漂う感情の麻痺と、タイトル通りの凍てつく寒さは、クリスマス後の空白期間に通じるものがある。1970年代の郊外家庭の崩壊をアン・リーが冷徹な視線で捉えた、静かな衝撃作だ。

10. 『エターナル・サンシャイン』(2004)

記憶と愛を巡る独創的なラブストーリー。淡い色彩と空っぽの空間、そして冬の浜辺。記憶を消し去ろうとするふたりの切なさは、1年の終わりに自分の内面を見つめ直す時間の良き伴侶となるだろう。
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11. 『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(2019)

凍えるような寒さの中での散歩、静かな思索、そして室内で育まれる親密な時間。グレタ・ガーウィグによる再構築は、古典に新たな「憧憬」の風を吹き込んだ。冬の長い夜に、自分にとって大切なものは何かを問いかけてくれる。
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12. 『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(2016)

凍てついたマサチューセッツの港町を舞台に、深い喪失感を抱えた男の再生と停滞を描く。ケネス・ロナーガンの演出は、悲しみの中にある「心の空白」をありのままに映し出す。1年で最も夜が長い時期に、静かに鑑賞したい傑作だ。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌

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