82歳のアル・パチーノが自身のキャリアを振り返る:「『ゴッドファーザー』は1の方が面白い。最高のストーリーだ」

アル・パチーノ 写真: ©DIMITRIOS KAMBOURIS/GETTY
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4月20日、俳優のアル・パチーノが自身の出演作『ゴッドファーザー』や引退への思いについて語った。パチーノは、92NY主催の“People Who Inspire Us”シリーズに登場、デイヴィッド・ルーベンシュタイン氏と対談を行った。

これまでのキャリアを振り返りながら、現在は自伝を執筆中であることを明かしたパチーノは「ある年齢に達すると、こういうことを始めるものだ。以前は避けていたけど、やっと色々な事を話せるようになったと思う。子供もいるし、良いアイデアのはず。とにかく取り掛かっているよ」と観客に伝えた。

まずパチーノは、自身の大ブレイク作『ゴッドファーザー』にまつわる秘話を告白。観客に対し、同作品の製作の裏側を描いたParamount+のドラマ『ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男』を鑑賞したか尋ねると「私は観たが、半分は噓だった。本当にショックを受けた」と打ち明けた。そして撮影開始当初の様子について「ダイアン・キートンと私は酔っ払いながら『もうキャリアは終わった。めちゃくちゃな映画だ』と思っていた」と振り返った。

当然ながら、アカデミー賞で11部門ノミネートを果たした『ゴッドファーザー』は結果的に大成功。ルーベンシュタイン氏は、自身よりもセリフが少なかったマーロン・ブランドが主演男優賞を受賞したことに腹を立てたか?とパチーノに尋ねた。「どこからそんな話が出た?怒ってなんかないよ。勘弁してくれ。当時授賞式に出席しなかったのには別の理由がある。そこはハッキリとさせておきたい。何度も人づてにその噂を聞かされてきた」

さらに『ゴッドファーザー PART Ⅱ』の方が1より優れているか聞かれると「いいや。何というか“PART Ⅱ”はよりアートっぽい作品だ。何せロバート・デ・ニーロと共演した映画だから、過小評価するつもりはない。でも、やはり2つは異なる映画だ」と返答。

「『ゴッドファーザー』の方がエンターテインメント性が高い。一方で“PART Ⅱ”はフランシス(・フォード・コッポラ)にとってパーソナルな作品。最近1を鑑賞したが、この作品は1つのシーンで常に2~3つのことが進行している。ずっと物語に没頭し、次に何が起こるか予想できない。それこそがストーリーテリングだ。ストーリーテリングの最高の形。それに対し『ゴッドファーザー PART Ⅱ』は1本の筋で、荘厳にゆっくりと進行していく。けれど、傑作であることに間違いないね」

それから、パチーノは『ゴッドファーザー』後に出演した『セルピコ』、『狼たちの午後』や『スカーフェイス』についても振り返った。そしてオファーを断ったことを後悔した映画は?と問われると「『スター・ウォーズ』を断った」と述べた。

当時はまだ新人であらゆるオファーを受けていた時期だった。「突然『スター・ウォーズ』と題された台本を渡されたんだ。私は『ギャラは凄いけれど、理解できない』と言った」結局、パチーノは出演を断ることに。続けて「ハリソン・フォードにキャリアを与えてやった。一回も感謝されたことはないけどね!」と冗談交じりに語った。

約50に及ぶ映画に出演してきたパチーノ。現在、4つ以上のプロジェクトを抱えており、来年は『リア王』の映像化に挑戦したいそう。ルーベンシュタイン氏に引退について尋ねられると「常に引退状態だ。25歳でリタイアしたからね。そんなこと誰も気にしちゃいない。“リタイア”という言葉は使わないでほしい。ただ、これ以上働きたくないだけなんだ」とジョークで返した。

「何というか、時々本番への意欲を無くしてしまう。下準備は好きなんだけどね。現場に行くと『上手くいくだろうか?失敗するだろうか?』という感じになる。もう、良く分からなくなっている」パチーノは膝に手を置き、こう続けた。「朝起きて、こんな感じでベッドに腰掛ける。そして『今日を乗り切れるだろうか?』と考える。それから『でも昨日、そのまた昨日も同じことを言ってたけど、大丈夫だったじゃないか』と思うんだ。今朝も同じ状態だった。そして皆さん、あなたたちは今日そんな彼をご覧になっています!」

※今記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら。翻訳/和田 萌

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