カンヌで記者会見に出席したジョニー・デップ:「ハリウッドにニーズがあると思えない」と明かす

第76回カンヌ映画祭でフォトコールに応えるジョニー・デップ 写真: ©JOHN PHILLIPS / GETTY
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17日、カンヌ国際映画祭ジョニー・デップがルイ15世を演じる新作『Jeanne du Barry(原題)』の記者会見が行われた。通常ならば、会見は監督やキャストが出席し、世界のメディアに向けて作品について語る場である。しかし、主演俳優のデップへの注目が会見に普段とは違う空気を漂わせることになった。

まずマイウェン監督とキャストが会見の場に姿を現したが、そこにデップはおらずホールは落胆ムードに。すると会見の司会者がデップの遅刻を伝え、何度もステージに近寄らないように忠告した。いつもなら、写真撮影のためにプレスが前方に集まることになっているが、デップのためにセキュリティーを強化したと考えられる。そして45分後、ついにデップは壇上に登場した。

元妻アンバー・ハードとの泥沼離婚・裁判を経て、久々の主演作を携えカンヌの地を歩いたデップ。16日のレッドカーペットでは熱狂的なファンに迎えられ、作品の上映後は4分間のスタンディングオベーションが巻き起こった。

一方で、会見は挑戦的な空気に包まれるとみられていた。まず、2021年のインタビューでの発言に関連して“まだハリウッドにボイコットされていると感じるか?”という質問が飛んだ。当時、デップは『ファンタスティック・ビースト』シリーズを降板したばかりだった。

「ハリウッドにボイコットされてると感じたかって?もちろん。空虚な言葉の数々のせいで、出演していた映画から外された時にはね。今も同じように感じているか?いや、全く。ハリウッドが眼中にないから、そう感じないのかもしれない。もう、それほどハリウッドに対してニーズを感じていない」そして、デップは「本当におかしな時代ですよね。誰もが自分自身になりたくても、目の前にいる人に同調せざるを得ないためそれができない。みんなと同じ列に並びたかったら、どうぞご自由に。私は、列の向こう側にいます」と続けた。

その後、デップは自身にまつわる騒動に話題を戻し、有名人として前に進むことは容易ではなかったと認めた。「ここにいる大半の人たちは、5~6年にわたり私に関する記事を読んできたと思います―あなたが読んできた大半のものは、とてつもなく酷いフィクションです。今日私たちは、作品の話をするために来ました。でも、あなた方から問われるのは“どうされていますか?”といった類のことです。その根底には、“お前なんか嫌いだ”という意味合いが隠されています。メディアとはそういうものです」

さらに『Jeanne du Barry(原題)』が自身の“復帰作”として扱われることに反論。「“カムバック”(=復帰)という言葉について、思いを巡らせています。だって、どこかに消えていたわけではありませんから。実は、私はこの場所から45分のところに住んでいます。当時は多くの人々が、何かを恐れて私に電話するのを止めました。でも、私自身は姿を消していません。“カムバック”というと表舞台に出て、タップダンスでも披露するくらいの意味合いに感じます―それはもう最高の踊りで、皆さんに認めてもらえるような。そんなイメージで、まあ奇妙な謎です」

フランスの歴史映画『Jeanne du Barry(原題)』はルイ15世を演じるデップのほか、マイウェン監督がジャンヌ・デュ・バリーを演じ、バンジャマン・ラヴェルヌメルヴィル・プポーピエール・リシャールらが出演。同作は労働者階級の若き女性ジャンヌを軸に、持ち前の知性と魅力を武器に社会的地位を向上させていく姿を描いている。やがてルイ15世と恋に落ちたジャンヌはヴェルサイユ宮殿に住むようになり、宮中を騒がせることになる。

映画祭のオープニングを飾った『Jeanne du Barry(原題)』は、同日フランスの映画館で公開された。フェミニストのフランス人女性たちが、映画館の外でデップの疑惑などについて記述したチラシを配布し、業界に対し権力における力関係を捨て去るように要求した。

様々な物議を醸している一方で、映画自体の評価は芳しくない。米ハリウッド・リポーターの批評家は、同作を“豪華絢爛で、驚くべき衣装も盛りだくさん”としながら“面白みがない”と語った。

※今記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら。翻訳/和田 萌

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