マーゴット・ロビー主演『バービー』のフランス版ポスターの“際どい”キャッチコピーが話題に

『バービー』写真: COURTESY WARNER BROS. PICTURES

先週、グレタ・ガーウィグ監督最新作『バービー』のフランス版ポスターが公開され、ある理由から大きな話題を呼んだ。

一見、バービー役のマーゴット・ロビーとケン役のライアン・ゴズリングをフィーチャーしたポスターは特に問題がないようだ。しかし、フランス語のキャッチコピー“Elle peut tout faire. Lui, c’est juste Ken”(=彼女は何でもできる。彼はただのケン)には、2通りの意味がある。“Ken”はフランス語のスラングでFワードを意味するため、「彼女はどんなことだってできる。彼はf**kのやり方しか知らない」というキャッチコピーになってしまうのだ。

『バービー』フランス版ポスター ©WARNER BROS.

当然のことながら、インターネットは大盛り上がり。フランス人ユーザーらはTwitterで、“まさかの”翻訳についてポスターの画像とともに投稿し、一部のツイートは100万以上の閲覧回数を稼いだ。

なぜこのキャッチコピーがフランス人の間でウケたのか補足説明をすると、フランスでは単語の音節を逆の順番で発音することで新たな意味を与える“ヴェルラン”スラングが存在する。niquer(f**kする)がqueniまたはkeniとなり、やがてkenに略されたのだ。さらに“c’est”(彼は)は“sait”(彼は~のやり方を知っている)と同音異義語なので、“Lui, c’est juste Ken”は「彼はただのケン」から「彼はf**kのやり方しか知らない」という意味に変わってしまうことになる。

フランス国内では、ポスターに対しそこまで驚きは広がらなかった。しかし、“Ken”=Fワードというスラングは30歳以下のフランス人なら誰もが知っており、宣伝文句はゲリラ・マーケティングによる意図的なものではないかと考える人々も多い。

ちなみに、英語版は“Barbie is everything. He’s just Ken.”(=バービーはすべて。彼はただのケン)というキャッチコピーだが、フランス版は「バービーはすべて」を意味する“Barbie est tout”ではなく、“~peut tout faire”=「~は何でもできる」という表現を使用。より“Ken”に際どい意味合いを与えてしまうことになった。

とあるスタジオのマーケティングエグゼクティブは、米ハリウッド・リポーターに対し「絶対に意図的なものです。フランス語話者が気付かないわけがない。それを取り入れたのは天才的」とコメント。

一方で、ワーナー・ブラザースは否定も肯定もせず。ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの広報担当者はネット上での反応に喜びを示した。「『バービー』のマーケティングキャンペーンをめぐる憶測で、人々からの高い認知度や興奮が伝わってきます。世界中のみなさんに、来月公開の今作を観ていただくのが待ちきれません」

※今記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら

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