崔洋一監督「お別れの会」に450人、盟友・ビートたけしからは爆笑追悼メッセージ

ぼうこうがんのため昨年11月27日に亡くなった崔洋一監督のお別れの会が7日、東京・千代田区の如水会館で行われ、藤竜也、小山明子、佐藤浩市、岸谷五朗ら約450人が参列した。

祭壇は趣向を凝らしたものを好まなかった崔監督の思いを反映し、バラやトルコ桔梗など約500本の白い花で飾られた。その中央に、たばこを手に笑顔の遺影。参列者はそれぞれの思いを胸に献花した。大島渚監督の助監督時代から1983年の監督デビュー作「十階のモスキート」、93年「月はどっちに出ている」、2004年「血と骨」など代表作のダイジェスト映像が上映されると、会場からは盛大な拍手が沸き起こった。

「月はどっちに出ている」で初めて映画の主演に抜てきされた岸谷は、「映画の素晴らしさ、恐ろしさ、いろいろなことを教わりました。いまだに映画の話をいただくと、崔さんからのご褒美だと思っています。最後にもう一本作ろうと話していた作品が実現しなかったことだけが悔いが残ります」と悼んだ。

寺島しのぶは、その最後の作品に母の富司純子とともにオファーを受けていたことを明かし、「とてもすてきな大人のラブストーリー。監督の遺稿で、誰かに撮ってほしい」と熱望。「月はどっちに出ている」など4作品で起用された遠藤憲一は、「若い頃、映画の仕事に呼んでもらえなかった時に、唯一読んでくれた監督が崔さんでした。印象に残っているのは『犬、走る。』の盗み撮りです。歌舞伎町でばれないように段取りをして、本番の時に崔さんが『盗み撮り、よーい』と叫んだ。こういうところがさすが、凄いなと思いました」と振り返った。

99年、大島監督の「御法度」で俳優として共演、「血と骨」に主演した盟友のビートたけし(北野武監督)からは哀悼のメッセージが寄せられた。「御法度」では崔監督が新選組の近藤勇、たけしが土方歳三を演じたが、「休憩時間に、常に私相手にセリフの稽古をしていました。ある時、私がトイレへ行くと中までついて来たあなたは、私の隣に立ち、いきなりセリフの稽古を始めたこともありました」と振り返った。

さらに「血と骨」では、「監督の演出は厳しいみたいだから、現場で怒鳴ったりしないでくださいね」という条件を付けての出演。「撮影が始まり何度かNGを出す私に、怒鳴りたくても怒鳴れないあなたは、私が帰った後、一人トイレの中で『たけしのバカ野郎』と怒鳴っていたと、後日スタッフから聞きました」という秘話が明かされると、会場が笑いに包まれるなどにぎやかに崔監督を送り出した。

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴⽊ 元

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