カナダ大手携帯会社「Bell」、今年を最後にトロント国際映画祭スポンサーを降板へ

トロント映画祭のBell Lightbox 写真: ©LANCE MCMILLAN/TORONTO STAR VIA GETTY IMAGES

カナダ大手携帯会社「Bell」が、今年開催の第48回トロント国際映画祭(TIFF)を最後に、1995年以来務めてきた主要スポンサーを降板する。同会社の広報担当者、エレン・マーフィー氏は26日、米ハリウッド・リポーターに向けた声明で「今後は、我々のビジネスにとって中核的な機会に投資していく」と伝えた。

映画祭側も、パートナーシップ終了を認めた。「Bellの揺るぎないサポートに、心から感謝の意を表します。そして、新たな形で協力し合えることを心待ちにしております」と声明を発表した。

近年は、Netflix作品の受け入れを盛んに行うTIFF。Netflixは今秋ごろの配信に先立ち、グラント・シンガー監督『レプタイル 蜥蜴』、エミリー・ブラント&クリス・エヴァンス主演『ペイン・ハスラーズ(原題)』(デイヴィッド・イェーツ監督)、コールマン・ドミンゴ主演『ラスティン: ワシントンの「あの日」を作った男』(ジョージ・C・ウルフ監督)などのプレミアを行う。

業界内では昨年、NetflixとBellの配信プラットフォーム「Crave」、そしてカナダの映画館チェーン「Cineplex」との間に軋轢が生じた。映画祭側が2022年、サリー・エル・ホサイニ監督『スイマーズ:希望を託して』をNetflix配信前にオープニング作品として取り付けたことで事態が明るみになった。Cineplexは2019年、プレス&業界向け上映の会場スコティアバンク・シアターからNetflix・Amazon作品を除外し、TIFFは会場変更を余儀なくされた。

時同じくしてNetflixは、TIFFの通年プログラムへの投資のため3年契約を締結。2017年、カナダ政府との合意で2,500万ドルの投資を決めたNetflix。特に、女性・先住民族・フランス語圏・LGBTQ+コミュニティーに属するコンテンツクリエイターの育成を目的とした。

TIFFは、出品作の制作元や映画祭後の行く末にとらわれないよう努めている。一方、そのスタンスは地元・カナダでNetflixへの反感を買ってしまった。

映画祭の主要スポンサーとして、Bellは毎年500万ドルの財政支援を行ってきたとされている。TIFFは今後、Cineplexをはじめ、RBC、Visa、ブルガリといった重要な後援者に頼っていくだろう。今年の映画祭は、脚本家・俳優ストの影響でレッドカーペットに登場するセレブリティが大幅に減少するとみられる。

※今記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら

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