ヴェネツィア国際映画祭: 金獅子賞にエマ・ストーン主演のヨルゴス・ランティモス監督作『哀れなるものたち』

『哀れなるものたち』写真: ATSUSHI NISHIJIMA

ヨルゴス・ランティモス監督『哀れなるものたち』が第80回ヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞(最優秀作品賞)に輝いた。エマ・ストーン主演の同作は、科学者(ウィレム・デフォー)によって生き返った女性・ベラが家父長的な世界を打破していくという物語。

ランティモス監督は受賞スピーチで、2018年のオスカー受賞作『女王陛下のお気に入り』以来新作の制作に長い時間を要したと語り、ストーンに賛辞を贈った。

「この作品の中心はイサベラ・バクスターという素晴らしい生き物。そして、彼女はエマ・ストーンというもう1人の素晴らしい生き物なしには存在しなかった。カメラの前、裏側でも今作は彼女自身だ」

『Io Capitano』のマッテオ・ガローネ監督が銀獅子賞(最優秀監督賞)、同作でセネガル人難民の若者を演じたセイドゥ・サールが新人俳優賞に輝いた。また、ソフィア・コッポラ監督『Priscilla』でプリシラ・プレスリーに扮したケイリー・スピーニーが最優秀女優賞、ミシェル・フランコ監督『Memory』で認知症を患う男性を演じたピーター・サースガードが最優秀男優賞を獲得。サースガードはスピーチの際、ストライキについて言及した。

「AIは、私の心に訴えかける問題。俳優も脚本家も人間だということは誰もが認められるはずなのに、どうやら無理みたいだ。“つながり”を描いた物語を機械やそれを所有する億万長者に託してはならない」

ベラルーシとポーランドの国境で捕らえられた難民の苦境を描いた『Green Border』でポーランド人監督のアグニェシュカ・ホランドが審査員特別賞を受賞。ホランドは、ポーランドの法務相ズビグニェフ・ジョブロ氏が同作を“ナチのプロパガンダ”と表現したことで謝罪と撤回を要求、拒否した場合は訴えを起こす意向を示している。

伝説のコメディアン、アンディ・カウフマンのキャリアを追った『Thank You Very Much』(アレックス・ブレイヴァーマン監督)が最優秀ドキュメンタリー賞を受賞、今年の“Lion of the Future”(最優秀長編デビュー賞)には台湾のイ・ホンチ監督『Love is a Gun』が選ばれた。

その他、ハンガリーのガーボル・ライス監督によるドラマ作品『Explanation for Everything』がオリゾンティ部門の最優秀作品賞、スウェーデンのミカ・グスタフソン監督(『Paradiset Brinner』)が最優秀監督賞を獲得。同部門の最優秀男優賞はモンゴル人俳優Tergel Bold-Erdene(『City of Wind』)に贈られた。

主な受賞結果は以下の通り

コンペティション部門

金獅子賞(最優秀作品賞)
『哀れなるものたち』, ヨルゴス・ランティモス

銀獅子賞(審査員大賞)
『悪は存在しない』, 濱口竜介

銀獅子賞(最優秀監督賞)
マッテオ・ガローネ, 『Io Capitano

審査員特別賞
『Green Border, アグニェシュカ・ホランド

最優秀脚本賞
ギジェルモ・カルデロン, パブロ・ラライン, 『伯爵

最優秀女優賞
ケイリー・スピーニー, 『Priscilla

最優秀男優賞
ピーター・サースガード, 『Memory

新人俳優賞
セイドゥ・サール, 『Io Capitano

オリゾンティ部門

最優秀作品賞
『Explanation for Everything— ガーボル・ライス

最優秀監督賞
ミカ・グスタフソン — 『Paradiset Brinner

審査員特別賞
『Una Sterminata Domenica — アラン・パローニ

最優秀女優賞
マルガリッタ・ロサ・デ・フランシスコ, 『El Paraíso

最優秀男優賞
Tergel Bold-Erdene, 『City of Wind

最優秀脚本賞
『El Paraíso— エンリコ・マリア・アルテール

最優秀短編映画賞
『A Short Trip— エレニック・ベキリ

最優秀長編デビュー賞
Love Is a Gun — イ・ホンチ

オリゾンティ・エクストラ

観客賞
『Felicita — ミカエラ・ラマツォッティ

ヴェニス・クラシックス

最優秀ドキュメンタリー賞
『Thank You Very Much — アレックス・ブレイヴァーマン

最優秀レストア作品賞
『お引越し』 — 相米慎二

※今記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら

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