岩井俊二監督、アイナ・ジ・エンドに最大級の賛辞「キリエは純度100%のあなたの作品」
岩井俊二監督の最新作「キリエのうた」の公開記念舞台挨拶が14日、東京・新宿バルト9で行われた。岩井監督は出演の元BiSHのアイナ・ジ・エンド、SixTONESの松村北斗、広瀬すずと登壇。「2年前の今頃は物語を書いている最中で、あれよあれよという間に撮影をして、編集に時間はかかったが、やっと僕の手を離れていく。見てくださって初めて成就するものなので、皆さんの心の中にダウンロードできたと思う」と感慨深げに話した。
歌うことでしか自己表現できない路上ミュージシャンとそのマネジャーを買って出た女性、失踪したフィアンセを捜し続ける青年、傷つく人々に寄り添う教師の13年間をつむぐ愛の物語。岩井監督はX(旧ツイッター)などで感想に目を通しており、「ちゃんと届いているんだと思って感無量です。僕の企てとは違った解釈もあるが、それが映画のだいご味。見てくださった数の分だけの映画になるわけですし、キリエの世界が広がっていると実感できます」と感謝した。
映画初出演で主役に抜てきされたアイナも、「キリエの歌っている姿でいやしてあげたいという気持ちです」と笑顔。今月4~7日には釜山国際映画祭にも参加し、「一番驚いたのは、監督がモテていたこと。レッドカーペットを歩いた先で写真撮ってって俳優さんに誘われたり、プリンセスみたいな人(ファン・ビンビン)とも2ショットを撮っていた」と明かし、会場の笑いを誘った。
松村は、「素敵な気持ちで作った作品を、素敵な届け方ができた。もっと解釈したくなる映画だと思う」と満足げ。広瀬も、「おなかの底にドンと落ち込んでくるようなアイナちゃんの魂の叫びが、いろいろな人に届くと確信しています」と語った。
岩井監督は、3人に感謝の言葉を送り青いバラの花束をサプライズでプレゼント。特にアイナには「演技が初めての女の子に二役、作詞と作曲までお願いして申し訳ないと思っていた。でも、キリエは紛れもないあなたが作り上げた純度100%の作品です」と最大級の賛辞を送った。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴⽊ 元