ヴィム・ヴェンダース監督らTIFFコンペ部門の審査員が会見「知的で教養のある議論をしたい」

第36回東京国際映画祭のコンペティション部門で審査員を務めるヴィム・ヴェンダース監督、アルベルト・セラ監督、プロデューサーの國實瑞恵氏、チャン・ティ・ビック・コック氏、女優のチャオ・タオが25日、TOHOシネマズ シャンテで記者会見を行った。

審査委員長のヴィム・ヴェンダース監督は、23日に「PERFECT DAYS」でオープニングを飾り、「また東京に戻ってこられてうれしい。昨日のレッドカーペットは美しく、真っすぐではなくクネクネしているのが素晴らしかった。幸先の良いスタートになったね」と満足げな笑顔。93年にヤングシネマコンペティション部門の審査委員長を務めており、審査については「私の名称は委員長だが、5人は同等の立ち位置にいる。秀でたメンバーと、知的で教養のある議論をしていきたい」と意欲を見せた。

2013年「私の死の物語」でスイス・ロカルノ国際映画祭の金豹賞を受賞しているスペインセラ監督は、「多くの作品を目にすることによって、今、世界で何が起きているかを理解できる。個人的には、自分のクリエイティブに何を与えてくれるかだね」と抱負。芸能プロダクション・鈍牛倶楽部の代表でもある國實氏は、「こんな大役を仰せつかっていいのか、毎日ドキドキしています。海外の方にいつから東京国際映画祭に関わっているかと聞かれ、1回目からと答えたら驚かれた。ただ古いだけの人間ですが、光栄に思っています」と謙虚に語った。

昨年のコンペに出品された「輝かしき灰」などを手掛けたベトナムのコック氏は、「多様な文化を目にして、個性的なキャラクターや物語にふれられることを楽しみにしている。私にとって素晴らしい仕事になると思う」と予想。ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞に輝いた「長江物語」(06)に主演した中国のタオも、「伝統と活力のある映画祭。作品を通して、それぞれの国の暮らしや文化などたくさんのことを学びたい。監督が何を伝えようとしていて、どれだけ感動できるかが大事」と指針を示した。

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴⽊ 元

Similar Posts