全米俳優組合ストライキ終結:118日間のストライキ後、制作側と新合意形成へ
118日間に渡って行われた全米俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキは、制作スタジオ側との3年間の新合意の元にようやく幕を閉じることとなった。
全米俳優組合委員会は水曜日、全会一致の投票でこの協定を承認したと発表。ストライキは現地時刻の木曜0時1分に終了する。この協定は承認を得るため、金曜日に全国の俳優組合理事会に提出される。
約2週間の再交渉を経て、俳優組合は水曜日に暫定の合意を発表した。この承認プロセスは、全米映画テレビ制作者同盟(AMPTP)が協定の決定有無について俳優組合に午後5時までの回答を求め、その期限直前に行われた。
組合はこれまで、協定の詳細を一部明らかにしており、この数日中にさらに詳細が明らかになる可能性が高いと考えられる。水曜夜に組合員に宛てたメッセージの中で、「協定の価値は10億ドル以上で、他の組合が受けた昇給を上回る額」であるということや「ストリーミングに対するボーナス」、「AIに関する規制」などが含まれていると述べた。
暫定的な合意には、「医療基金と年金基金の上限引き上げ」、「バックグラウンド出演者(エキストラ)の報酬引き上げ」や「多様性コミュニティを保護する重要な契約条項」なども含まれている。
米脚本家組合(WGAW)のストライキ最中に始まった米俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキは、米映画テレビ制作者同盟(AMPTP)との交渉の初期段階で、異例の影響力を与えた。ストライキ開始後、ほぼ即座に『デッドプール 3』や『ヴェノム 3』など、脚本家なしで制作が続けられていたプロダクションのほとんどが中止された。制作停止が数カ月に及ぶ中、このストライキにより発生した損失は、カリフォルニア州内の経済だけで少なくとも60億ドルに上ると専門家は推定した。
ストライキが長期化し、100日を超えるにつれて、製作側にかかる圧力は高まり始めた。著名な俳優たちは、交渉の進展を改善するために、俳優組合と製作側の両方と話し合いを始めた。
労働組合が2023年のストライキに費やした時間を考えると、製作側との合意への期待は確実に高まるだろう。組合が今後予定する批准投票で、組合員は協定が受け入れられるかどうかを判断することになる。
※今記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら。翻訳/和田 萌