映画『エイリアン』シリーズ全9作ランキング、新作「ロムルス」は何位?

『エイリアン:ロムルス』(2024)写真: Courtesy of 20th Century Studios
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1979年の『エイリアン』から2024年の『エイリアン:ロムルス』まで、シリーズ全9作品のランキングを紹介する。



9. 『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』(2007)

『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』(2007)写真: Twentieth Century Fox/Courtesy Everett Collection

ストラウス兄弟が監督を務めた本作の舞台は、前作『エイリアンVSプレデター』のラストで誕生したエイリアンとプレデターのハイブリッド「プレデリアン」によって攻撃される小さなコロラド州の町。人間ドラマはかなり陳腐であるが、少なくともタイトル通りのエイリアン対プレデターのクールな戦いが楽しめるかもしれない。

一方、映像が非常に暗く、大半のシーンで何が起きているのかほとんど分からない。しかし、コンセプト自体は面白く、特殊効果は素晴らしい出来だ。

8. 『エイリアン4』(1997)

『エイリアン4』(1997)写真: 20th Century Fox Film Corp/Courtesy Everett Collection

ジャン=ピエール・ジュネ監督の『エイリアン4』は、シリーズの時系列において最も先の時代を描いた作品。第3作から200年後、リプリー(シガニー・ウィーバー)のクローンが傭兵グループと協力して、ゼノモーフが乗った軍事科学船が地球に到達するのを阻止する。

プロットは一見面白そうだが、結果的には90年代後半のトレンドを意識しすぎた映画となってしまった。水中でのエイリアン追跡などの良い点もあるが、同じシリーズの作品とは思えない仕上がりとなっている。

7. 『エイリアンVSプレデター』(2004)

『エイリアンVSプレデター』(2004)写真: THR

ポール・W・S・アンダーソンによるエイリアンとプレデターの世界への挑戦は、シリーズから独立した作品として見るならば十分に楽しめる内容だ。レックス(サナ・レイサン)ら南極付近の氷の下に埋もれたピラミッドを探査するために派遣された探検隊が、エイリアンクイーンを目覚めさせてしまう。地球に3人のプレデターが派遣され、クイーンとピラミッドを破壊し、その子孫が世界を脅かす前に封じ込めることになる。

『バイオハザード』シリーズのファンがすでに知っていたように、アンダーソンはアクション映画の腕前を発揮。特に深いテーマを持つわけではないが、それでも十分面白い作品となっている。

6. 『エイリアン3』(1992)

『エイリアン3』(1992)写真: 20th Century Fox Film Corp/Courtesy of Everett Collection

デヴィッド・フィンチャーの長編デビュー作『エイリアン3』は、本人が作品を否定しているにもかかわらず、シリーズで最も陰鬱な作品として多くのファンの支持を得ている。冷凍睡眠についていたリプリー(ウィーバー)は、流刑惑星に墜落して目覚める。刑務所で生き抜くこととなったリプリーは、同じ船に密航していたゼノモーフと再び対峙する。

『エイリアン2』ほどアクション満載でもなく、『エイリアン』ほど緻密な精度やテンポもないが、本作には多くの見どころがある。中でも、ウィーバーによるシリーズで最も感情的で生々しい演技は必見だ。

5. 『エイリアン: コヴェナント』(2017)

『エイリアン: コヴェナント』(2017)写真: Courtesy of Twentieth Century Fox

リドリー・スコットによる『プロメテウス』の続編は、『エイリアン』の世界に一歩近づく内容だ。アンドロイドのデヴィッド(マイケル・ファスベンダー)を中心的な敵役に据え、ゼノモーフの登場シーンを十分に確保しつつも、スコットの信仰やAIについての興味深い考察から大きく逸れることはない。

植民船が新たな居住地として発見した未開の惑星に着陸したとき、ダニエルズ(キャサリン・ウォーターストン)に率いられた乗組員たちは、異常をすぐに察知する。本作は血なまぐさく、多くの乗組員が悲惨な最期を遂げる。しかし、真の恐怖はデヴィッドをルシファー的存在として描くことで提示される、より大きな問いにある。彼は創造主を打倒し、宇宙の均衡を変えてしまった存在なのだ。

4. 『エイリアン:ロムルス』(2024)

『エイリアン:ロムルス』(2024)写真: Courtesy of 20th Century Studios
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フェデ・アルバレスが手がけた最新作「ロムルス」は、『エイリアン』と『エイリアン2』の間が舞台。強制労働を課された若き入植者たちが登場し、彼らは未知の惑星への9年間の旅を計画する。そのために、廃墟となった宇宙船から冷凍睡眠ポッドを盗み出そうとするが、フェイスハガーやゼノモーフの餌食となる状況に追い込まれる。

ノスタルジアを感じさせる要素や過去作品へのオマージュも含まれる一方で、デジタル技術によって故人となった俳優を復活させている点がリアリズムを損ねているとの指摘もある。しかし本作は独自のテーマを追求しており、圧倒的な音響や美術、特殊効果に支えられた純粋なスペクタクルのレベルでは、シリーズの中でも最高の要素を持ち合わせている。

3. 『プロメテウス』(2012)

『プロメテウス』(2012)写真: THR

リドリー・スコットによる『エイリアン』の前日譚は、第1作で発見された巨大な異星人「スペースジョッキー」の謎に部分的な答えを与える作品。しかし、提示される答えにはさらに多くの疑問が伴い、本作はスコットの作品の中でも不朽の魅力を持つ映画となっている。

人類の起源を探るため、考古学者のショウ博士(ノオミ・ラパス)と恋人のホロウェイ博士(ローガン・マーシャル=グリーン)は、ヴィッカーズ(シャーリーズ・セロン)が指揮する探検隊「プロメテウス号」に加わり、アンドロイドのデヴィッド(マイケル・ファスベンダー)らとともに旅に出る。

『プロメテウス』は信仰に向き合う物語であり、ショウのキリスト教的信仰は彼女が目にするものによって試される。本作が素晴らしいのは、『エイリアン』の世界を舞台にしながらも、それを超えた広がりを持ち、単なる前日譚に留まらずに宇宙の神や悪魔を探索する作品になっている点である。

2. 『エイリアン2』(1986)

『エイリアン2』(1986)写真: 20th Century Fox/Photofest

ジェームズ・キャメロンは、スコットの傑作を基に全てをスケールアップした作品を生み出した。自信に満ちた演出と数々の観客を魅了する瞬間で構成され、銃撃や爆発、軍隊の粗野な言葉遣いによって、スコットとダン・オバノンが作り上げた恐ろしくも静かな美しさを覆い隠しているにもかかわらず、愛さずにはいられない内容となっている。

『エイリアン』の出来事から57年後、リプリーはウェイランド・ユタニ社に救出されるが、ノストロモ号を破壊したことについて法的措置を取ると警告される。リプリーは植民地海兵隊と共に、かつて卵を発見した小惑星LV-426へ戻ることを余儀なくされる。到着するとすぐに、リプリーと海兵隊は植民地がゼノモーフによって壊滅していることを発見する。

『エイリアン2』はゼノモーフの人気をさらに高めただけでなく、リプリーを宇宙の運命を守るために戦うアクションヒーローとして発展させている。CGIを使わない視覚効果、H・R・ギーガーのオリジナルデザインを基にしたビジュアル、キャメロンの大作映画製作者としての才能が結集した『エイリアン2』は、史上最高の続編の1つとして評価されている。

1.『エイリアン』(1979)

『エイリアン』(1979)写真: 20thCentFox/Courtesy Everett Collection

シリーズの中で、『エイリアン』ほど完璧な映画は存在しない。本作は「宇宙版のお化け屋敷映画」と表現されることが多い。確かに、軋む音や滴る液体、影の多い廊下といった要素がすべて揃っている。しかし、それだけでは『エイリアン』を十分に語ったことにはならない。なぜなら、ノストロモ号は単なるお化け屋敷ではなく、映画史上屈指の優れた空間デザインを持つ場所となっているのだ。

ノストロモ号には無駄な空間が一切なく、狭い空間と低い天井は逃げることの困難さと、巨大なエイリアンの不気味な動きをさらに強調している。出演者は当時新人だったシガニー・ウィーバーを中心に、トム・スケリット、ジョン・ハート、イアン・ホルムら名優たちが脇を固め、それぞれが乗組員のブルーカラー的な感覚を見事に表現。彼らは冒険を求めていたのではなく、ただ帰宅して報酬を得ることを目指していたのだ。

本作は、スコットがその後のキャリアで何度も取り組むことになるテーマ、すなわち企業の悪質さ、人類とAIとの関係、個人主義よりも共同体を重視する姿勢を緊迫感をもって描いている。この緊迫感こそが、スコットの多作ぶりを支えている理由のひとつだ。『エイリアン』はホラーとSFの形を変え、両ジャンルが永遠に影響を受ける存在となった。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌

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