『スーパーマン』新作映画、国際的権利をめぐる訴訟で一部の国での公開に暗雲

新作『スーパーマン』写真: Courtesy of Warner Bros. Pictures
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ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)が、スーパーマンの国際的権利をめぐる訴訟を起こされ、今夏封切り予定のDCスタジオ最新作『スーパーマン』が複数の国で公開を阻止される可能性がある。

スーパーマンの共同作者であるジョー・シャスターの遺産管理団体は、WBDがキャラクターおよび物語の国際的な権利をすでに喪失しているにもかかわらず、許可や補償なしに利用し続けていると主張。31日にニューヨーク連邦裁判所に提出された訴状では、カナダ、英国、オーストラリアなど主要国における著作権侵害の疑いがある全作品の利益の一部を求めている。

WBDは声明で、「本訴訟の主張には、根本的に異議を唱える。自社の権利を全力で守る」と述べている。

この法的措置は、今夏公開予定の『スーパーマン』の配給に影響を及ぼす可能性がある。

DCによるスーパーマンの所有権は、1938年にさかのぼる。原作者のジェリー・シーゲルと作画のシャスターは、キャラクターと物語の権利を130ドルで売却。スーパーマンがDCのもとで初登場したのは『アクション・コミックス』第1号であり、そこでは新聞記者クラーク・ケントという秘密のアイデンティティや、超人的な力とスピードが描かれた。

以来、スーパーマンの権利をめぐる訴訟は頻発。最初の訴訟は1947年にシーゲルとシャスターによって起こされ、DCの所有権の無効を求めるものだった。訴訟は最終的に和解し、シャスターとシーゲルには94,000ドルが支払われた。

米国の著作権法では、一定期間後に著作権を取り戻す権利が認められているが、シャスターの兄妹は1992年にDCと合意を結び、年間25,000ドルと引き換えにこの権利を放棄。連邦控訴裁判所は、この合意を有効と判断している。

しかし今回、シャスターの遺産管理団体は英国の著作権法を利用しようとしている。英国では、著作権の譲渡は著作者の死後25年で自動的に終了するため、シャスターが1992年に死去したことを考慮すると、2017年にスーパーマンの権利を取り戻したと主張している。

さらに、シャスターの妹にはDCとの合意を結ぶ法的権限がなかった可能性も指摘されている。この点について裁判所は「複雑な問題である」とし、判断を保留している。

今回の訴訟では、英国、オーストラリア、カナダ、アイルランドにおける著作権法違反が主張されており、シャスター遺産管理団体が所有するとされるスーパーマンの国際的権利のさらなる利用を禁じる裁判所命令を求めている。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌

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