ブラディ・コーベット監督が『ブルータリスト』公開で得た驚きの収入とは

『ブルータリスト』を監督したブラディ・コーベットは今週、彼自身がアカデミー賞にノミネートされた話題作からは「1ドルも儲かってない」と明かした。
コーベットは『マーク・マロンのWTF』(ポッドキャスト)に出演したが、その中で「ちょうどポルトガルでCMを3本監督してきたところなんです。ここ何年ぶりかにお金を稼ぎましたよ」と発言した。
コーベットによれば、彼自身と彼の妻であり共同作業者のモナ・ファストバルドは「過去に製作した2本の映画(2018年の『ポップスター』と『ブルータリスト』)からは1ドルも収入を得ていない」のだそう。
司会のマロンがその発言に対してさらに掘り下げるとコーベットは「本当にゼロですよ。だから僕たちは3年前までの収入を切り崩しながら生活しないとならなかった感じですね」と語った。
その上で彼は「実は今年、作品がノミネートされてるけど家賃が払えないっていう映画監督はよくいますね。いや、本当に」と、映画製作関係者が直面する厳しい台所事情について明らかにした。
こうした事態の背景についてコーベットはそもそも映画監督が「作品のプロモーションによって収入を得られるわけではない」ことがあるとしながら、「カンヌでプレミア公開された映画を思い浮かべてみるともう1年近く前でしょう、私たちの作品だってプレミア公開されたのは9月です。だから私はかれこれ半年ほどこれ(『ブルータリスト』のプロモ)をやっているわけで、当然その間は仕事ができないから収入はゼロです。今は脚本の仕事もできていません」と説明した。
更にコーベットは長期にわたって続くメディア対応が「半年間の尋問」のように感じたといい、先週だけで90本のインタビューをこなしたことを明らかにしつつ「週7で(取材が)あるんですよ、キリがありません。常に移動ばかりだし土日まで働かないといけないんです。もう去年のクリスマス休暇以来休んでいませんし、それにしたって4日間しかありませんでした」と過酷なスケジュールを明らかにした。
そんなコーベットが監督した話題作『ブルータリスト』は今年のアカデミー賞で10部門にノミネートされている。コーベットの苦労が報われることを祈るばかりだ。
※本記事は要約・抄訳です。オリジナル(英語)はこちら
【関連記事】
- 第97回アカデミー賞(2025)を大予想!遂に投票終了、最有力候補は…?
- 映画『ブルータリスト』、NY映画批評家協会賞で作品賞
- 『ブルータリスト』撮影中のエイドリアン・ブロディに降りかかったまさかのハプニング
- 英国アカデミー賞(BAFTA)2025:『教皇選挙』が作品賞、最多タイの4部門に輝く
- 映画『ブルータリスト』予告が初公開 ― ヴェネツィアで銀獅子賞受賞、ホロコーストを生き延びた夫婦の数奇な運命