ベネディクト・カンバーバッチ、支援の重要性を訴える「社会は支援を必要とする人々を簡単に排除してしまう」

ベネディクト・カンバーバッチは、「羽と悲しみのあるもの」について語っています
ディラン・サザーン監督とベネディクト・カンバーバッチ 写真: Getty Images
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ベネディクト・カンバーバッチが、最新映画『The Thing With Feathers(原題)』のプレミアに際し、悲しみや有害な男らしさ、支援を必要とする人々への思いについて率直に語った。本作はディラン・サザーンが監督・脚本を手がけ、マックス・ポーターの著書を映画化。突然妻を失った父(カンバーバッチ)とその息子たち(リチャード&ヘンリー・ボクソール)の喪失と向き合う姿を描いている。

カンバーバッチはベルリンでの記者会見で、「私の仕事の一部は、困難なキャラクターに向き合い、その人間性を探ることにある」とコメント。彼は誰もが本来純粋な存在であり、キャラクターを通じてその本質を探求することに関心を持っていると語った。

また、社会には最も助けを必要とする人々を支援する責任があると指摘。「被害者であれ、悪事を働いた加害者であれ、社会の隙間からこぼれ落ちてしまった人々こそ、私たちが最も支援すべきなのに、実際はそうしていない。彼らを簡単に排除したり、忘れ去ったりしてしまうのです」と訴えた。

さらに彼は、本作を通じて「アルファ男性的な男らしさ」を否定し、男性の悲しみや脆さに向き合う視点を持てたことに喜びを感じたと語った。「悲劇をただ力で抑え込むのではなく、そこから学ぶことが大切だ」とし、従来の“強い男”のイメージとは異なる物語に携われたことに意義を見出していると述べた。

また、共演したボクソール兄弟の演技を称賛するとともに、自身の経験にも触れた。特に、亡くなった妻の服を畳み、クローゼットを空にする場面が深く心に響いたと明かし、「48歳になり、人生の中で悲しみを経験してきた。多くの人がそうだと思うが、あのシーンは予想以上に強く胸を打った」と語った。

本作は、悲しみや喪失に直面する人々の姿を描きながら、感情の脆さや弱さの中にある本当の強さを問いかける作品となっている。カンバーバッチは、こうしたテーマに向き合いながら演じることの意義を強調し、社会が見過ごしがちな人々に目を向けることの重要性を改めて訴えた。

ディラン・サザーン監督は、マックス・ポーターの原作について、「自分の感情や行動に言葉を与え、受け入れるきっかけをくれた」と語り、本作を映画化する決断に至った理由を明かした。

一方で、原作は異なる視点や時制が交錯し、独創的な構成のため映画化が容易ではなかったが、掘り下げるうちに映像としての形が見えてきたという。「観客には家族と共にこの時間を過ごし、彼らの感情を感じ取ってほしい」と語り、映画を通じて原作の魅力を伝えたいと述べた。

『The Thing With Feathers』は、2月13日~23日に開催されている第75回ベルリン国際映画祭で、現地火曜日の夜にプレミア上映される。

※この記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら

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