【YOASOBI 海外インタビュー】国際的なヒットの秘密とJ-POPの未来「これからも世界に向けてすばらしい音楽を届けたい」

J-POPの人気がアメリカで高まり続けるなか、プロデューサーのAyaseとシンガーソングライターのikuraによる日本のデュオ・YOASOBIは、着実にファン層と評価を築いてきた。
YOASOBIは、2024年にアメリカでツアーを行い、その期間に「コーチェラ」や「ロラパルーザ」といった大規模音楽フェスにも出演、観客を魅了した。そして今年初めには、「matsuri’25」のために再びロサンゼルスを訪れた。同イベントは、日本のアーティストを世界に紹介することを目的とした一夜限りのコンサートで、YOASOBIはAdo、新しい学校のリーダーズとともにパフォーマンスを披露した。
国内外で活躍を続けるYOASOBIが、米『ハリウッド・リポーター』のインタビューに応じ、なぜ自分たちの音楽が世界中の人々の心に響くのか、アメリカでのツアーの経験、そしてアーティストとしてどのように受け止められたいかについて語った。
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――音楽制作の過程について、教えていただけますか?
Ayase:僕らには「小説を音楽にする」というテーマがあるので、すべての楽曲に原作のストーリーがあります。まずは原作を読むことから始まり、それをどう音楽に変換するか考える時間をしばらく取ります。それから、どのような形にするかを考えます。メロディやオーケストレーションを考え、そして歌詞が生まれます。その後、ikuraがレコーディングに入り、アレンジが仕上がっていきます。
――物語性のある音楽が、特に海外の人々に響く理由は何だと思いますか?
Ayase:「小説を音楽にする」という点に、オリジナリティがあるからだと思います。僕たちは、テレビアニメとのタイアップも多く行っています。アニメは現在、海外でも日本文化の大きな一部として認知されていますし、そこも僕たちの特徴の一つになっていると思います。マンガやアニメ、小説と連動することで、音楽にもストーリーが生まれ、ひとつの形を持つ。それが、僕らの強みの一つだと感じています。
――他人の立場になって物語を作るという作業は、自身の創造性にも良い影響を与えていると思いますか?
Ayase:はい、そう思います。ただ、最終的には自分自身の経験も楽曲を通して語っているんです。歌詞や楽曲の中には主人公の視点がありますが、その主人公の経験や伝えたい想いに、自分自身の経験を重ね合わせています。まるで、自分が歌詞や音楽の創作に関わっていないかのように思われるかもしれませんが、そうではありません。
ただし、着想や発想のもとがまったく別の誰かから始まっているという点では、大きな刺激を受けています。その人の思考と自分の思考が混ざり合って、化学反応のようなものが生まれる。それは、自分自身の創造性と、他者の創造性が融合した結果です。そうして生まれるものには、非常に強いインスピレーションがあります。
――今年初めのLAでのパフォーマンスでは、観客の熱狂ぶりが非常に印象的でした。過去1年の間に何度もアメリカでパフォーマンスされてきたなかで、どのような経験をされましたか?
ikura:昨年と一昨年、私たちはアメリカでたくさんのライブやフェスティバルに出演しました。たとえば、コーチェラやロラパルーザにも出演しましたし、自分たちの単独ライブも行いました。最近ではロサンゼルスで開催された「matsuri’25」にも出演しました。そのイベントでは、私たちを含む3組のアーティストが参加しました。
今、J-POPを世界に届けようと全力で取り組んでいるアーティストたちが集まっていて、みんなが本気で音楽を届けようとしています。「matsuri’25」は本当に楽しく、すばらしい経験になりました。J-POPの可能性を、あらためて実感する機会にもなりました。
私たちは、より良い音楽を作り、世界に届けるために努力しているJ-POP界の一員です。あの夜限りで終わらせるのではなく、これからも世界に向けてすばらしい音楽を届けていきたいと願っています。
――アーティストとして、どのように見られたいと考えていますか?
ikura:「どう見られたいか」と口で言うのは簡単ですが、実際に人々が私たちをどう見ているのかを考えると、それはまた別の話だと思います。
Ayase:YOASOBIという名前にもあるように、「あそび」という要素を大切にしていきたいと思っています。僕たちはそれぞれソロ活動もしていますが、YOASOBIはその延長線上にある存在です。まずは自分たち自身が楽しめるものを作ること、そして「これ、かっこいいよね」と思えるものを作ることが一番大切です。
僕らのテーマである「小説を音楽にする」という発想も、これまでにあまり例のない新しい試みです。今後もまだ誰も見たことのない景色を求めて、いろいろな“山”を登っていきたいと思っています。常に新しいことに挑戦していきたいです。
アメリカでライブを行うと、「音楽がまったく新しい」、「今までにない体験だった」といった声をいただくことがあります。そうした「誰も思いつかなかったもの」や「誰も見たことのないもの」をこれからも届けていくことが、僕たちにとってとても大切なことだと感じています。
これまでJ-POPの先輩たちが築いてきたものを受け継ぎながら、僕ら自身もまだ誰もやったことのないことに挑戦し続けていきたいです。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌
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