ギーザー・バトラー、オジー・オズボーンへの追悼文──“笑いの王子”との最後の思い出

ブラック・サバスのベーシストで共同創設者のギーザー・バトラーが、7月22日に76歳で死去したオジー・オズボーンとの最後のリハーサルと公演について、追悼文を通じて回想した。
7月5日にイギリス・バーミンガムのヴィラ・パークで行われた最後の公演「Back to the Beginning」に向け、バトラー、トニー・アイオミ、ビル・ワードは約1か月間リハーサルを行っていた。バトラーは「20年ぶりの演奏だったので最初は調子を取り戻すのに時間がかかった」と述懐。やがてオズボーンが合流したが、彼の衰弱ぶりに驚いたという。
杖をつき、付き添いと看護師に支えられてリハーサルに現れたオズボーンは、椅子に座って歌っていたが、6~7曲ほどで明らかに疲労の色が見えた。「あまり話さず、昔のオジーとは別人のようだった」とバトラーはつづっている。
10時間に及ぶ本番には多くの著名人が出演し、ファンも熱狂。だが、ステージの最後でオズボーンが玉座に座っていたため、いつものように全員で抱き合い観客に一礼することができず、バトラーは「どこか切なく、奇妙な終幕だった」と語る。「楽屋でもっと話したかったが、それはもう叶わない」とも記した。
バトラーはまた、オズボーンがブラック・サバス時代とは別のソロ活動期に数々の奇行(コウモリやハトの頭を噛みちぎった事件、アラモ記念碑での騒動など)で知られる一方で、「本当は思いやりに満ちた優しい人だった」と強調。息子が病気で生まれた際、1年ぶりの連絡にも関わらず毎日電話をくれたと語り、「オジーは“闇の王子”ではなく“笑いの王子”だった。誰よりも仲間思いだった」と回想した。
最後に、オズボーンを讃えるため集まったファンや音楽仲間に感謝を示し、「57年の友情を数段落で語り尽くすことはできない。オジー、最高の旅をありがとう。愛してる」と締めくくっている。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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