ポール・マッカートニー「Got Back」ツアー2025開幕|初フル演奏の「ヘルプ!」に大歓声【セットリスト付き】

現地時間9月26日(金)、ポール・マッカートニーの2025年「Got Back」ツアーの公開リハーサルがカリフォルニア州のサンタバーバラボウルで行われた。会場にはチケットに当選した約4,000人の幸運なファンたちが集結し、83歳となったマッカートニーのパフォーマンスを見届けた。観客の中には、アダム・レヴィーンと妻ベハティ・プリンスルー、その3人の子どもたちの姿もあった。
初フル演奏の「ヘルプ!」で幕開け
公演はビートルズの「ヘルプ!」(1965年)で幕を開けた。マッカートニーがソロとして「ヘルプ!」をフルで演奏するのはこれが初めてだ。マッカートニーは実年齢を感じさせない若々しい姿と声で歌い出し、冒頭から観客を驚かせた。
この公演ではスマートフォンや携帯電話の持ち込みが禁止されており、それも観客の熱狂を高める要因となった。マッカートニーは、うなずきながら「今夜は誰も携帯電話を持っていない。いい感じだ」と発言した。
この公演のセットリストにはラブソングが多かった。その中には、マッカートニーの現在の妻ナンシー・シェヴェルに向けたソロ曲「マイ・ヴァレンタイン」(2012年)も含まれる。この曲はナンシーとの交際初期、モロッコでのデート中に思い浮かんだという。
プロモーターによれば、この公開リハーサルは今後の「Got Back」ツアーの本格的な演出とは異なる。しかし公演中には、レーザー照射やプロジェクターをふんだんに使った豪華な演出が見られた。
ジョニー・デップ、ナタリー・ポートマンが映像で出演
また、ジョニー・デップとナタリー・ポートマンが、手話などを用いて歌詞を解説する事前収録映像も流された。映像の中でデップがギターをかき鳴らすと、マッカートニーもそれに合わせてギターソロを生演奏した。マッカートニーはデップの友人として『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』に出演している。
その後は、ビートルズのメンバーや過去の共演者たちに捧げる楽曲が続いた。マッカートニーは「みんなを過去へ連れて行くよ。北イングランドの小さな町リヴァプールへ。そこで4人の若者がグループを結成した。そして大成功したんだ」とビートルズにまつわる逸話を語り、ビートルズのデビュー曲「ラヴ・ミー・ドゥ」(1962年)を披露した。ジョン・レノンによるおなじみのハーモニカのメロディーは、1989年からマッカートニーのキーボーディスト兼音楽監督を務めるポール・ウィッケンズが演奏した。
ウィッケンズとともに、ホット・シティ・ホーンズ(ブラスセクション)、ラスティ・アンダーソン(ギター)、ブライアン・レイ(ギター兼ベース)、エイブラハム・ラボリエル・ジュニア(ドラム)らがツアーバンドに参加した。
マッカートニーはアップライトピアノ、グランドピアノ、マンドリン、エレキギター、アコースティックギター、そしてトレードマークであるヘフナー社製ベースと、複数の楽器を演奏する。マッカートニーは一人でセンターステージに立ち、ギターで「ブラックバード」(1968年)を弾き語りした。
AI技術で生まれた「ナウ・アンド・ゼン」も!ビートルズの名曲を披露
注目したい楽曲の一つは、AI技術によって完成されたビートルズの最新曲「ナウ・アンド・ゼン」(2023年)だ。ビジョンには、若き日のビートルズや歳を取ったビートルズが融合する、サイケデリックなアニメーションが映し出された。マッカートニーは「ジョン、この美しい曲を書いてくれてありがとう」と言葉を残した。
さらに「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」(1968年)では観客から合唱が沸き起こり、映画『007/死ぬのは奴らだ』(1973年)の主題歌で大ヒットした同名楽曲が披露されると、会場は熱気に包まれた。
アンコールでは「ヘルター・スケルター」(1968年)、アルバム『アビイ・ロード』(1969年)から「ゴールデン・スランバー」、「キャリー・ザット・ウェイト」、「ジ・エンド」といったビートルズの楽曲が披露され、マッカートニーの力強い歌声が会場に響き渡った。「ジ・エンド」はビートルズの4人が全員でレコーディングした最後の曲だ。ステージには星条旗、ユニオンジャック、そしてLGBTQ+を象徴するレインボーフラッグが掲げられた。
2025年「Got Back」ツアーは9月29日(月)にカリフォルニア州アクリシュア・アリーナから本格的に幕を開け、11月25日(火)のイリノイ州ユナイテッド・センターにおける最終日までアメリカ各地を回る。
▼2025年9月26日:ポール・マッカートニー サンタバーバラボウル公演のセットリスト
- ヘルプ!
- カミング・アップ
- ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ
- レット・ミー・ロール・イット/フォクシー・レディ
- ゲッティング・ベター
- 幸せのノック
- マイ・ヴァレンタイン
- 1985年
- 夢の人
- ラヴ・ミー・ドゥ
- ダンス・トゥナイト
- ブラックバード
- ナウ・アンド・ゼン
- レディ・マドンナ
- ジェット
- オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ
- ゲット・バック
- レット・イット・ビー
- 007/死ぬのは奴らだ
- ヘイ・ジュード
- アンコール
- アイヴ・ガッタ・フィーリング
- サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(リプライズ)
- ヘルター・スケルター
- ゴールデン・スランバー/キャリー・ザット・ウェイト/ジ・エンド
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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