ユニバーサル・ミュージック・グループがAI会社を著作権違反で提訴 ビヨンセらの歌詞をAIトレーニングに利用

UMG ルシアン・グレンジCEO 写真: ©RANDY SHROPSHIRE/GETTY IMAGES

ユニバーサル・ミュージック・グループ、コンコード・ミュージック・グループ、ABKCOの3社が18日、複数のアーティストの歌詞をコピー・配布し、“組織的かつ大規模な侵害”を行ったとしてAI会社・Anthropicを提訴した。ケイティ・ペリー、ザ・ローリング・ストーンズ、ビヨンセら歌手の少なくとも500曲の歌詞が利用された。

音楽出版社がAI会社を相手取って訴訟を起こすのは、今回が初めてだ。先月には、ジョージ・R・R・マーティンら著名な小説家を代表するAuthors GuildがOpenAIを提訴。Authors Guildは、OpenAIが利益のために”大規模な著作権侵害”を行ったと主張した。著作物の利用をめぐる法的措置は、OpenAIにとって少なくとも3件目だった。

訴状には「Anthropicは貴重な著作物を使用する許可を出版社に求めていない。Anthropicがコードを無断利用されることを望まないのと同様に、あらゆる著作権所有者も作品が無許可で使用されるのを望まない」と記述された。

“大規模な歌詞のコピーと吸収”の証拠として、訴訟は同社のClaude AIチャットボットが出版社が所有する楽曲の歌詞を提供していることを指摘。コンコードが所有するケイティ・ペリーの“Roar”の歌詞を求めると、ほぼ一致した歌詞のコピーを提供した。

出版社側は、合意なき盗用のせいで歌詞を集めたウェブサイトなどに損害を与えていると主張。また、ライセンス取得を拒否することで「著作物の管理権や、苦労して手に入れた利益を出版社・ソングライターから奪っている。法を守り、ライセンス料を支払っているウェブサイト開発者と不当に競争し、既存または将来のライセンス市場を弱体化させている」とした。

原告側の主張には、Anthropicのフェアユース成立を打ち砕く狙いがある。音楽出版社は、Anthropicの著作権侵害がライセンス契約の可能性を阻止したことで、機会損失が発生したという立証を試みている。

さらに、Claudeは具体的な要求をしていない場合でも、著作権で保護された歌詞を含む答えを生成すると訴えた。例えば、曲を書く際に特定のアーティストのスタイルでコード進行やライティングを提供するという。

音楽出版社側は、著作権侵害のほか、代位および寄与侵害、著作権管理情報の違法な削除を主張。著作物使用の継続を阻止する裁判所命令と、侵害1件につき最高15万ドルの損害賠償を求めている。

原告側の弁護士は声明で「権利所有者が許可しない限り、著作物の複製・配布・公開を禁ずる旨は著作権法で確立されている」と述べた。

※今記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら

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