ケンドリック・ラマーがスーパーボウルのハーフタイムショーに登場
![ケンドリック・ラマー](https://hollywoodreporter.jp/wp-content/uploads/2025/02/GettyImages-2198608756_1.jpg)
第59回スーパーボウルのハーフタイムショーにケンドリック・ラマーが登場し、会場を熱気に包んだ。
アンクル・サムを意識した衣装に身を包んだサミュエル・L・ジャクソンの、「みんなお馴染みのアンクル・サムだ、偉大なアメリカのゲームにようこそ」という紹介によってショーは幕を開けた。(因みにステージはゲーム版のようなデザインとなっており、パフォーマンスの最初と最後には観客席に「ゲーム・スタート」、「ゲームオーバー」というメッセージが映し出されるなど、今回のショーはゲームを意識したコンセプトとなっている。)
ラマーは13分に及ぶショーの中で『squabble up』、『HUMBLE』、『GNX』、『tv off』、そしてドレイクに向けたディス・ソング『Not Like Us』といったヒット曲の数々を披露した。
ジーンズにスタジャン、黒いキャップにダイアモンドのチェーンというファッションで登場したラマーはセット上の車の上でイントロとして『GNX』をラップした後、『squabble up』を披露した。
赤、青、白の衣装に身を包んだバックダンサーは、彼のアメリカに対する愛を表現するものだったのだろう。彼らはショーの途中、星条旗を連装させるフォーメーションとなっていた。
その後、ラマーは『DNA』、『HUMBLE』、『euphoria』、『man at the garden』、『peekaboo』といったヒット曲を立て続けに披露する。
この時点で会場の観客やTVの前の視聴者が何よりも気になっていたのはラマーが『Not Like Us』を歌うかどうかということだっただろう。それに答えるかのようにラマーはパフォーマンス中に一瞬だけ曲を流し「みんなの大好きな曲を流したいけど、裁判が大好きな人たちがいるからね」と、当該の曲を巡ってドレイク側が訴訟を起こしたことに触れながら冗談を飛ばす一幕もあった。
その後、ショーは落ち着いたトーンとなり、赤い衣装に身を包んだSZAを舞台上に迎えたラマーは2人で『luther』と『All the Stars』をパフォームした。
しかし、ラマーはファンを落胆させることはなかった。その直後に『Not Like Us』を流したと思いきや、ドレイクの名前に言及した歌詞までもノーカットで披露したのである。(ただし、彼のことを「筋金入りのペドファイル(小児性愛者)」と呼ぶ箇所には修正がかけられた。)そしてあの「気をひこうと思って弾いたコードはAマイナー(※ギターのコードを表すAマイナーと「未成年」を掛けた表現)だろうな」という箇所ではスタジアム中に観客の合唱が鳴り響くほどの盛り上がりを見せた。
その後、ラマーは『tv off』でショーを締めくくった。舞台上にはDJマスタードと(ドレイクとかつて交際していた)セレーナ・ウィリアムズも登場した。
ハーフタイムショーを前に、ほとんどの詳細は伏せられていた。 しかし、彼は今週の記者会見で、視聴者は彼の最大の聴衆が彼の音楽に没頭できるような「物語」を期待してほしいと予告していた。
『Not Like Us』が2025年のグラミー賞授賞式で、年間最優秀楽曲賞、年間最優秀レコード賞、最優秀ラップ楽曲賞、最優秀ミュージック・ビデオ賞、最優秀ラップ・パフォーマンス賞を総なめにしたことは記憶に新しいが、ラマーにとっては忙しい1週間となった。
『Not Like Us』のリリースは、カルチャーにとって決定的な瞬間になっただけでなく、ラマーが一貫してラップというジャンルを再定義していることを改めて証明した。この曲は当初、ドレイクとの確執が続く中、ラマーが彼にに対して発表したいくつかのディス・ソングのひとつだったが、瞬く間にビルボード・ホット100チャートで首位を獲得し、国境を超えたセンセーションとなったのである。
この曲を巡っては、ドレイクとラマーが共に契約しているレコード会社ユニバーサル・ミュージック・グループが名誉毀損で提訴される事態にもなった。ドレイク側は、『Not Like Us』のリリースは、”アーティストの安全と幸福よりも企業の貪欲さ “を重視している例だと主張した。 (ラマーは曲中でドレイクを小児性愛者と呼び、曲の中で黒人文化を盗用していると非難している。)
※本記事は要約・抄訳です。オリジナル記事(英語)はこちら
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