浅野忠信『レイブンズ』に自信「主人公としての引き出しを存分に使った」
俳優の浅野忠信が29日、主演のフランス・日本・ベルギー・スペイン合作映画『レイブンズ』の公開記念舞台挨拶を共演の瀧内公美、マーク・ギル監督とともに東京・有楽町のTOHOシネマズシャンテで行った。
浅野は、1974年に米ニューヨークの「MOMA“New Japanese Photography”」展で絶賛を浴びるなど世界的な評価を受けた写真家の深瀬昌久の激動の半生を演じた。映画主演は2020年『日本独立』以来5年ぶりで、「主人公と脇を演じるのは全然違う。これまで主人公として経験してきた引き出しがいっぱいになっていて、それを存分に使った」と自信をうかがわせた。
オファーを受け「物凄く面白くて、絶対にやる」と決意。だが、コロナ禍で米ドラマ『SHOGUN 将軍』の撮影が延期となり、カナダからの帰国を許されなかったため22年6月に予定していたクランクインに間に合わず「悲しくて泣き叫んでいた」という。
それでも浅野の出演を熱望していたギル監督の配慮し、撮影時期をずらしたことで無事に出演が可能に。結果、『SHOGUN 将軍』でゴールデン・グローブ賞の助演男優賞を受賞するなど運命が好転し、「延期になった分、たっぷり役づくりができたのも良かった。今年は算命学で見てもらったら、何もしなくてもうまくいく流れだったので、このままいっちゃいましょう」と相好を崩した。
瀧内は、深瀬を支え時に叱咤(しった)する妻の洋子役。浅野とは初共演で「ずっと見続けてきて、いつか浅野さんのような表現をしてやろうと経験を重ねてきたあこがれの存在。唯一無二という言葉がしっくりくる方で、これからも追い続けて後進につなげていきたい」と最大級の賛辞を送った。
ギル監督も「アイ・ラブ・ヒム。20年くらい、クレイジーな役から静かな役まで見てきたが、その全てを合わせたのが深瀬。演技に感嘆する時間を過ごせた」と称賛。浅野は照れながらも、「褒められるのは大好きなので、最高です」と満足げな笑顔を見せていた。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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