『ホワイト・ロータス』音楽監督、LISAの楽曲を作中で使わなかった理由を明かす

先週日曜日(現地時間)にシーズン3の最終回が放送されたHBO制作(日本ではU-NEXTで視聴可能)の『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル』。同作の音楽監督を務めるゲイブ・ヒルファーが米『ハリウッド・リポーター』のインタビューに応じ、制作の裏側を語ってくれた。
ヒルファーは『ホワイト・ロータス』が監督・脚本・制作総指揮を務めるマイク・ホワイトの発想力なしでは実現できなかったと振り返る。「作品は彼の作った遊び場みたいなものです。私たちはそこで彼のイメージを実現するために試行錯誤しました」
そんなヒルファーが意識していたのは、いかにして視聴者をシーズンごとのコンセプトに音楽を通じて没入させるかということだったそう。
「視聴者の皆さんには『ホワイト・ロータス』の世界にどっぷり浸かってもらうことになりますが、音楽もその点では大きな役目を果たしているんです」
ヒルファーはタイを舞台とするシーズン3の音楽を制作するにあたり、現地の知り合いなどを通じてタイ出身のアーティストや音楽業界関係者たちとコンタクトをとったそう。そのおかげで音楽の制作に際しては豊富なリソースにアクセスすることができるようになったという。
ところで、『ホワイト・ロータス』シーズン3は現在最もアツいアーティストの一人と言っても過言ではないBLACKPINKのリサ(LISA)が出演していることでも話題になった。当然ながら彼女の曲が劇中で流れることを期待したファンも多かったことだろうが、彼女の曲は劇中で一度も使用されなかった。ヒルファーはその理由についても語ってくれた。
「これまでも私はミュージシャンが俳優として出演する作品に関わったことはたくさんありますが、(劇中で彼らが自身の曲をパフォームすれば)もはやそのキャラクターはフィクション上の人物ではなくなってしまうんです。そうするとドラマと現実の境界がぼやけてしまうような気がするんですよ。ドラマに出ている本人が現実世界での自分の曲を歌っているのに、その曲を歌っている本人は現実の人物じゃないという設定なのはメタ的というか違和感が出てしまう気がしますね」
実際に『ホワイト・ロータス』シーズン3の制作に際し、リサの所属レーベルとの間でも彼女の楽曲を劇中で使用するかどうかという話は持ち上がったそう。しかし結局話は立ち消えになったのだとか。
「もし彼女が『ホワイト・ロータス』で休暇中のリサ本人という役柄で出演していたとすればちょっとした遊び心みたいなもので、それもありだったでしょう。でも彼女はムークという名前で、(リサとは)全く違うキャラクターですから、それをやってしまえば狙いすぎというか、逆にドラマから浮いてしまうだろうと思ったんです。というのも(現実世界の)彼女は大スターで、BLACKPINKは世界中で社会現象になっていますからね」
しかし、彼は『ホワイト・ロータス』に寄せられるそのようなファンのリアクションも大歓迎のようだ。
「そういう話に対しては、私も耳を閉ざすことはありませんし、オンライン上の意見やリアクションも参考にしています。私に取ってはそのような視聴者の声はお褒めの言葉なんです。というのも、それがたとえ厳しい意見であろうともみんなが作品に注目していて、それを気に入っているからこそ出てくるものですから」
そんなヒルファーが音楽監督を務める『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル』シーズン3は先週日曜日に放送を終えたばかり。HBOはシーズン4の制作について何も明言してはいないが、シーズン3が大好評を博しただけに期待が高まる。
※本記事は要約・抄訳です。オリジナル記事(英語)はこちら
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