「トランプ関税」90日間猶予もエンタメ業界にはさらなる混乱か

ドナルド・トランプ米大統領は水曜日、兼ねてから発表していた各国に対する関税の導入を90日の間停止するとの方針を発表した。それと同時に彼は国際経済の秩序を回復するため、中国には引き続き関税をめぐって強硬な姿勢を取り続けるとも述べている。
急転直下の展開だ。トランプ大統領は水曜日(現地時間)、関税の導入を「報復を表明していない国々」に対しては90日間停止するとアナウンスした。大統領がここでどのような国々を念頭に置いているのかは明らかでないものの、スコット・ベッセント財務長官は臨時の記者会見にて、90日の猶予期間中も大半の国家に対して10%の関税は発動されるとし、米国はその間に各国と貿易について交渉する用意があるとも述べた。
米『ハリウッド・リポーター』によれば、こうした一連の展開がハリウッドに対していかなる影響を与えるかという点については依然として何とも言い難いとのこと。ハリウッドはサービス産業を中心に成り立っている分、物理的な物品の輸出入が混乱することによる直接的な影響が大きくなるとは考え難い。しかし、彼らを支えるスポンサーの広告業界は先行きの不透明な状況の中で打撃を受ける可能性は高い。その結果として広告出稿の差し止めなどの皺寄せがハリウッドに及ぶ可能性は高いと見て良いだろう。
ただ、今後さらに中国との貿易摩擦が激化すれば、米国のエンタメ産業に対して更に直接的なダメージを与えるような事態になりかねない。実際、現に中国側は「トランプ関税」に対する報復措置の一環としてアメリカ映画の国内上映禁止を検討していると報じられたほか、米国の知的財産権を侵害するような事例が増える可能性も高い。またImaxのように中国国内でビジネスを展開するエンタメ企業にも打撃を与えるだろう。
とはいえ、トランプ政権が強硬な姿勢を改めたことで、経済の混乱による不況の懸念は多少なりとも軽減された。これによって大規模なテーマパーク産業を展開するウォルト・ディズニー・カンパニーなどはひとまず胸を撫で下ろしたことだろう。
エンタメ業界において、一連の「トランプ関税」による混乱で一番の皺寄せを被ったのは中小規模の業者たちであろう。というのも近年、セレブやインフルエンサーなどが自身の手がけるグッズを展開するという事例が多く見られるようになるなかで、それらのグッズは原材料の多くを輸入に依存する状況となっていたからだ。実際に米国の人気ユーチューバー、Mr. ビーストなどはそうした状況を踏まえて、「トランプ関税」に対し不満を表明していた。
ハリウッドにも少なからぬ影響を及ぼしそうな「トランプ関税」。今後の交渉の展開を注視したい。
※本記事は要約・抄訳です。オリジナル記事(英語)はこちら
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