アンジェリーナ・ジョリー、カンヌのイベントで人道的メッセージを発信「決して世間知らずではいられない」

先週末(現地時間)カンヌ国際映画祭にて毎年恒例のショパール・ディナーが開催され、アンジェリーナ・ジョリーが今年のゴッドマザー(プレゼンター)としてイベントのホストを務めた。
金曜日にカールトン・ビーチにて開催されたショパール・ディナーでは毎年、次世代のスターと目された若手俳優に対し、過去の受賞者たちによって構成される審査員からショパール・トロフィーが贈られる。今年の受賞者に輝いたのはフランスの女優、マリー・コロンとイギリス出身のフィン・ベネットで、後者はアレックス・ガーランド監督の『ウォーフェア(原:Warfare)』(2025)や『トゥルー・ディテクティブ ナイト・カントリー』(2024)での演技が話題を集めていた。
毎年、豪華ゲストが出席することで知られるショパール・ディナーには今年も錚々たる面々が顔をそろえた。会場にはジョリーの他に、カンヌ国際映画祭の会長を務めるイリス・ノブロックやショパールのアートディレクターであるキャロライン・ショイフレ、クエンティン・タランティーノとカーラ・ブルーニ、そして今年のショパール・トロフィー審査員を務めたハル・ベリー、ジェレミー・ストロング、ジュリエット・ビノシュの3人が駆けつけた。
イベントでは毎年ゴッドマザーが開会に際してスピーチをするのが恒例で、ジョリーはその機会を活かし、まずはカンヌにも出品される世界各国において制作る映画への愛を語った。
「私は世界の映画が大好きなんです。それらを観ると、違う国に行ったり、誰かのプライベートな経験を追体験できたりしますし、戦場にいる相手に対してさえも共感できるような気分になりますからね。例えばここでプレミア上映される『マイ・ファザーズ・シャドウ』(原:My Father’s Shadow、アキノラ・デイヴィーズ監督作)はその一例です。そのような作品にアクセスしやすくなることは大歓迎ですし、必要だとも思っています」
ここでジョリーが挙げた『マイ・ファザーズ・シャドウ』はナイジェリアにおける一家の再会を描いた作品だが、残念ながら紛争などの絶えない一部の発展途上国などでは、映画制作者などをはじめとするアーティストがしばしば命の危険に晒されていることも事実だ。ジョリーはそのような国々で彼らが直面する残酷な現実にも関心を向けるよう訴えた。
「私たちは決して世間知らずではいられません。私たちは世界中において多くのアーティストたちが自分の物語を語るための自由や安全を享受できないという事実を知ってもいますし、多くのアーティストが命を落としていることも知っています。ファティマ・ハッソウナ(パレスチナ出身のフォトジャーナリスト)はガザで命を落としましたし、シェイデン・ガルドゥード(スーダン出身の歌手)はスーダンで殺されました。また、ヴィクトリア・アメリーナはウクライナで亡くなりました。ここで私たちと一緒にいて欲しかった多くの才能溢れるアーティストたちが命を落としているのです。私たちはこのように命の危険と隣り合わせで自分の物語を語る人たちに感謝しなくてはいけません。というのも彼女たちのような人々のおかげで私たちは学び、人間として成長することができるからです」
最後にジョリーはトロフィー受賞者のベネットとコロンに対して次のようなメッセージを贈った。
「私はこうして世界中から集まった多くのクリエイティブな才能を持つ人々たちと一緒に時間を過ごせてとても光栄に思います。今晩の受賞者であるフィン・ベネットとマリー・コロンもそうした人々たちの一人です。お二人とも、その役柄にもたらす並外れた多才さ、格式、共感性、そして世界映画界の新進気鋭の才能が認められたのです。お二人がすでに映画とストーリーテリングに貢献されていること、そしてこれからクリエイティブな仕事をされることすべてに感謝します」
今年のカンヌ国際映画祭はメッセージ性が強いことでも話題になっているが、ジョリーもそうした例に続く形となった。世界中のアーティストたちが平和と自由を享受できる日が1日も早く来ることを願いたい。
※本記事は要約・抄訳です。オリジナル記事(英語)はこちら。
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