タイラー・ペリー、黒人文化の危機に声をあげる―「今は沈黙すべき時ではない」

タイラー・ペリーが2025年6月9日、カリフォルニア州ロサンゼルスのピーコック・シアターで開催された2025 BETアワードのステージに登壇。 写真:Kevin Winter/Getty Images
タイラー・ペリーが2025年6月9日、カリフォルニア州ロサンゼルスのピーコック・シアターで開催された2025 BETアワードのステージに登壇。 写真:Kevin Winter/Getty Images
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2025 BETアワードが、6月9日(現地時間)にロサンゼルスで開催された。映画製作者のタイラー・ペリーは、ステージに登壇し、ハリウッド業界に向けて力強いメッセージを発した。ペリーは「今は沈黙すべき時ではない」と語り、黒人コミュニティの歴史や存在が意図的に消されつつある現状に警鐘を鳴らした。

「私たちの足跡は消せない」

タイラー・ペリーは、自身と息子との思い出について語った。浜辺を一緒に歩いていたとき、息子が「僕はパパの足跡を歩いてるよ」と言ったという。それに対してペリーは「いや、一緒に歩こう」と返したという。2人で浜辺の端まで歩き、息子はふと振り返りると、自分たちが残したたくさんの足跡を見つけた、という思い出だ。

「今夜この話をしたのは、いまこの国で起きていることについて、みんなに伝えたいからだ。よく注意してほしい。見逃さないでほしい」とペリーは語った。「私たちの本が図書館から取り除かれ、物語や歴史が消され、私たちの名前が政府の建物から消されている。まるで誰かが、私たちの足跡を消そうとしているかのようだ」

さらに、こう続けた。「しかし、私たちの足跡は消せない。なぜなら、それは水の上に残されたものだからだ。つまり私たちは故郷から連れ去られ、海を渡ってアメリカに来るまでの道のりに足跡を残してきたということだ」

続けて「今は沈黙する時でも、諦める時でもない。今こそ踏ん張って、行く先々に足跡を残し続ける時だ」と強く訴えた。そして『Madea’s Family Reunion (原題)』の脚本家である彼は、ロサンゼルスのスタジオに対しても名指しで批判を投げかけた。

黒人ミリオネア創出に貢献

さらに、タイラー・ペリーはこう続けた。「これははっきり言える。この街のどのスタジオを合わせたよりも、私は多くのブラック・ミリオネアを生み出してきた。よく聞いてほしい」。「それは、私が足跡を残してきたからだ。だから、たとえ今つらくても、何かを成し遂げようとしているなら、ビジネスを築こうとしているなら、夢があるなら、足跡を刻み続けてほしい。誰にも止めさせるな。君にもできる」

黒人女性への感謝

スピーチの前半では、長年にわたり自身の活動を支えてきた黒人女性たちへの感謝も述べた。「私の素晴らしい観客たち、男性も女性もいるが、これだけは言いたい。黒人女性たちは、ずっと私を支えてくれた。本当に、言葉では言い表せないほど感謝している」

当日の授賞式ではケヴィン・ハートが司会を務め、ケンドリック・ラマーが最多10部門にノミネートされた。リル・ウェインテヤナ・テイラーらもパフォーマンスを披露した。

※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら

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