ビーチ・ボーイズの名曲が輝く映画・テレビ10選|映画音楽の魅力と効果を徹底解説

2025年6月11日、ビーチ・ボーイズの創設者で伝説的ポップアーティスト、ブライアン・ウィルソンが82歳で逝去した。
ブライアン・ウィルソンは、名曲「サーフィン・U.S.A.」や「ペット・サウンズ」などを通じてカリフォルニアのビーチ・カルチャーを世界に広め、ポップ界に革命を起こした。その影響は映画・テレビにおけるビーチ・ボーイズの楽曲の起用においても、鮮烈に表れている。
映画音楽としてのビーチ・ボーイズ名曲の魅力
ビーチ・ボーイズの音楽は、なぜ映像に映えるのか。それは、軽快でポップな曲を暗いシーンで流すことで、余韻が深まる“対比効果”と、懐かしさとロマンを呼び起こすカリフォルニア・サウンドが、作品世界に深みを与えるからではないだろうか。
長年にわたり映画・テレビに息づいているビーチ・ボーイズの名曲は、単なるBGM以上の意味を持ち、登場人物の心情や作品テーマを深く照らす手助けをしている。
今回は、ビーチ・ボーイズの創設者ブライアン・ウィルソンへの追悼の意を込めて、彼らの名曲が象徴的に使用された映画・ドラマを紹介する。ビーチ・ボーイズの世代を超えて愛される楽曲は、今後も映画・テレビの名場面を彩り続けることだろう。
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※配信先情報は2025年6月13日時点の情報です。
ビーチ・ボーイズの名曲 × 名シーン|心に残る作品10選
1. 「フィール・フロウズ」(原題:Feel Flows) – 『あの頃ペニー・レインと』(2000年)
厳格な母に育てられ、セックスもドラッグも知らない優等生。そんなウィリアム(演:パトリック・フュジット)が地元誌に書いた原稿がローリングストーン誌の目に留まり、普通の15歳の生活から一転、ロックの世界に没頭していく。ブレイク寸前のバンドに同行取材することになったウィリアムは、グルーピーのリーダー、ペニー・レイン(演:ケイト・ハドソン)と出会う。
ビーチ・ボーイズ三兄弟の末っ子カール・ウィルソンが歌い、ブライアン・ウィルソンがコーラスとして参加。美しいハーモニーが未来への覚醒と重なり、心を揺さぶるクライマックスで使用された。
2.「神のみぞ知る」(原題:God Only Knows) – 『ブギーナイツ』(1997年)
ポール・トーマス・アンダーソン監督作品『ブギーナイツ』の終盤に、1966年に発表された楽曲「素敵じゃないか(原題:Wouldn’t It Be Nice)」のB面として収録された「神のみぞ知る」が使用されている。
ブライアン・ウィルソンの代表作とも言える本楽曲は、キャラクターの印象的な締めくくりを演出している。ローラーガール(演:ヘザー・グラハム)が学校に戻ることを決意し、バック(演:ドン・チードル)がステレオ店を開き、リード(演:ジョン・C・ライリー)がポルノ業界からマジック界へ転身するという展開の中で流れる。
3.「ココモ」(原題:Kokomo)–『カクテル』(1988年)
1988年に発表されて以来、今もなお愛されるビーチ・ボーイズの名曲『ココモ』。最も象徴的な映画での使用は、トム・クルーズ主演の名作『カクテル』(1988年)ではないだろうか。劇中では、クルーズがバーテンダーを演じ、最初はニューヨークで、後にジャマイカでは大勢の酔っ払い客の前で派手なカクテルパフォーマンスを披露する。
本楽曲は映画『カクテル』のために書き下ろされた楽曲で、「ココモ」の歌詞の2番目の単語として“ジャマイカ”が出てくる。また「ココモ」は、グラミー賞とゴールデングローブ賞にもノミネートされた。ビーチ・ボーイズにとって、22年ぶりの全米1位ヒットとなり、現在に至るまで彼らの最後のトップ40ヒット曲となっている。
4. 「フォーエヴァー」(原題:Forever) – 『フルハウス』(1987年〜1995年)
大人気ドラマシリーズ『フルハウス』はビーチ・ボーイズの名曲が度々登場しており、メンバーが実際に出演することもあった。番組が多くの楽曲使用許可を得られたのは、ジョン・ステイモス演じる“ジェシーおじさん”の貢献が大きかった。
ステイモスは1983年にビーチ・ボーイズと出会い、ドラマーとして数回の公演に参加した経験があった。1991年のエピソードでジェシーとレベッカ(演:ロリ・ロックリン)が結婚した名場面では、ジェシーがビーチ・ボーイズの名曲のひとつ「フォーエヴァー」(原題:Forever)をピアノで演奏した。
ビーチ・ボーイズ60周年を記念して販売された、リマスターアルバム。
全世界で450万枚以上を売上げている30曲入りのビーチ・ボーイズ決定版ベスト・アルバム。
日本盤のみ英文ライナー訳、歌詞・対訳付。
5. 「英雄と悪漢」(原題:Heroes and Villains) – 『ファンタスティック Mr. Fox』(2009年)
ウェス・アンダーソン監督の2009年の映画『ファンタスティック Mr. FOX』では、「英雄と悪漢」(原題:Heroes and Villains)がオープニングシーンで使用され、ずる賢いMr. フォクシー・フォックス(声優:ジョージ・クルーニー)の冒険をスタイリッシュに彩った。
6. 「ダーリン」(原題:Darlin’) – 『ビッグバン★セオリー』(2007年〜2019年)
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米CBS局で、2007年から2019年まで放送されていた長寿ドラマ。シーズン9のエピソードで、シェルドン(演:ジム・パーソンズ)が頭から離れない正体不明のメロディー(「ダーリン」)に苦しんでいたが、その理由がガールフレンドのエイミー(演:メイム・ビアリク)だったというユーモラスで感動的なシーンで使用された。
7. 「素敵じゃないか」(原題:Wouldn’t It Be Nice) – 『50回目のファースト・キス』(2004年)
名曲中の名曲、ビーチ・ボーイズの「素敵じゃないか」(原題:Wouldn’t It Be Nice)は、ハワイを舞台にした2004年のロマンティック・コメディ『50回目のファースト・キス』の雰囲気にぴったりだ。
“前日のことをすべて忘れてしまう”という短期記憶喪失障害を抱えているルーシー(演:ドリュー・バリモア)に恋をする物語であることを考えると、さらに絶妙な選曲で、ヘンリー(演:アダム・サンドラー)があるシーンで涙を流しながらこの楽曲を歌う場面では、複雑な切ない思いが感じられる。
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8.「グッド・ヴァイブレーション」(原題:Good Vibrations) – 『アス』(2019年)
『バニラ・スカイ』(2001年)
1970年代後半から80年代前半に炭酸飲料“サンキスト”のコマーシャルをきっかけに、いたる所で使われるようになった「グッド・ヴァイブレーション」は、印象的な2つの映画でも使用された。
ジョーダン・ピール監督によるルピタ・ニョンゴ主演の映画『アス』(2019年)では、タイラー家(両親をエリザベス・モスとティム・ハイデッカーが演じる)が自分たちのドッペルゲンガーに殺される凄惨なシーンで使われている。『バニラ・スカイ』では、冒頭でトム・クルーズ演じる主人公デヴィッドが車を運転するシーンで使用された。
9. 「アイ・ゲット・アラウンド」(原題:I Get Around) – 『スリー・キングス』(1999年)
デヴィッド・O・ラッセル監督作品の戦争風刺映画『スリー・キングス』(1999年)では、湾岸戦争に派遣されたアメリカ兵のグループ(演:ジョージ・クルーニー、マーク・ウォールバーグ、アイス・キューブ、スパイク・ジョーンズ)がサダム・フセインによって略奪された金塊を盗もうと試みる。
1964年のヒット曲「アイ・ゲット・アラウンド」は、兵士たちが金塊を掘り出す緊迫した場面で使用され、楽観的なレトロ・ポップとのコントラストがシュールな効果を生み出している。
10. 「オール・サマー・ロング」(原題:All Summer Long) – 『アメリカン・グラフィティ』(1973年)
1973年の青春映画『アメリカン・グラフィティ』は、ジョージ・ルーカス監督の初期作で、当時の若者の代名詞的音楽であったビーチ・ボーイズの楽曲が2曲使用されている。エンドクレジットで流れる「オール・サマー・ロング」、そしてビーチ・ボーイズのデビューアルバムに収録された「サーフィン・サファリ」だ。
また、人気アニメシリーズ『ザ・シンプソンズ』でも、数十年にわたる放送期間中、数多くのビーチ・ボーイズのパロディや楽曲使用がされてきた。同アニメには、『アメリカン・グラフィティ』でビーチ・ボーイズの楽曲が使用されたシーンのオマージュも登場した。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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