『ローグ・ワン』公開から10年──ギャレス・エドワーズ監督が語る映画哲学とは

2016年に『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』を手がけたギャレス・エドワーズ監督が、新作製作への考えを語った。同監督は「前に進んで自分の作品を作ることに満足している」と述べ、現時点では新たな『スター・ウォーズ』映画を製作する予定がないことを明かした。しかし、同作の成功と長期的な影響については深い感謝を示している。
『ローグ・ワン』の成功とその後
『ローグ・ワン』はフェリシティ・ジョーンズとディエゴ・ルナが主演を務めた。また、『スター・ウォーズ』フランチャイズ初のスピンオフ映画として製作された。2016年に公開された同作は、帝国軍の究極兵器デス・スターの設計図を盗むミッションに挑む反乱軍の物語を描いた。
同作は世界興行収入10億ドル(約1,450億円)以上の大ヒットを記録し、その後のDisney+(ディズニープラス)の前日譚シリーズ『キャシアン・アンドー』の公開で再評価されている。
作品への評価と監督の思い
一部のファンは『ローグ・ワン』を、ディズニーが2012年にルーカスフィルムを買収して以降、最高のスター・ウォーズ映画と評している。しかし、ギャレス・エドワーズ監督はこの評価に対し「同意はしないが、感謝している」と謙虚にコメントした。また、「人々が良いことを言ってくれることに感謝している」と述べている。
公開から10周年を迎える来年について、現在『ジュラシック・ワールド/復活の大地』を手がけるエドワーズ監督は興味深い見解を示した。
映画製作における長期的視点
エドワーズ監督は『ローグ・ワン』製作時、興行成績よりも映画史における長期的な地位を重視していたと振り返る。「映画をつくるときは、公開日の反応ではなく、10年後、20年後の評価を考えるべきだ」と語った。
さらに、「映画製作中は少なくとも1年先の未来を生きている」と説明した。また、「全ての判断が公開時にどう受け取られるかを想像し続ける必要がある」と製作過程の心境を明かした。
一方で、公開後の評価については異なる視点を持っている。「公開時は10年後の視点で考え、その瞬間の反応は重要ではない」と述べた。そして、「真の報酬は20年後に、当時の子どもたちが『あの映画が大好きだった』と言ってくれることだ」と締めくくった。
ギャレス・エドワーズ監督は『ローグ・ワン』の成功に感謝しつつも、新たなスター・ウォーズ映画製作には消極的な姿勢を示している。しかし、映画製作における長期的視点の重要性を強調し、作品の真の価値は時間が証明するものだという哲学を示した。来年の10周年を前に、同作の映画史における位置づけがさらに注目される。
※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら。
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