『スター・ウォーズ』でピエット提督を演じた名優ケネス・コリー氏、87歳でこの世を去る

イギリスのベテラン俳優であり、映画『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』にてダース・ベイダー配下のピエット提督を演じたケネス・コリー氏が、87歳で逝去した。死因は、新型コロナウイルス感染症および肺炎による合併症であり、イングランド・ケント州アシュフォードの自宅にて、月曜日に亡くなったことが代理人ジュリアン・オーウェン氏により発表された。
コリー氏は、映画監督ケン・ラッセルの作品に7本出演しており、その代表的な役としては、『恋人たちの曲/悲愴』(1971年)にて有名作曲家の弟で劇作家のモデスト・チャイコフスキーを演じた。他にも、『肉体の悪魔』(1971年)『ボーイフレンド』(1972年)『マーラー』(1987年)『リストマニア』(1975年)『レインボウ』(1989年)『逆転無罪』(1994年)など、ラッセル監督のさまざまな作品に出演している。
演劇と映像の世界で60年以上のキャリアを誇ったコリー氏は、イギリスを代表するコメディグループ「モンティ・パイソン」のメンバーたちとの協働でも知られている。テリー・ギリアム監督の『ジャバーウォッキー』(1980年)、BBCの番組『リッピング・ヤーン』(1977年)、そして『ライフ・オブ・ブライアン』(1981年)ではイエス・キリスト役を演じている。
コリー氏は吃音症を抱えていたが、舞台やカメラの前に立つと自然に治まると語っていた。
『スター・ウォーズ』シリーズにおいて、彼が演じたファーマス・ピエットは、『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980年)にてオゼル提督の下で戦艦「エグゼクター」の副官を務めていたが、オゼルの死後、そのまま提督となった。
当初『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983年)に再登場する予定はなかったが、コリー氏は2008年のインタビューでこう語っている。「エージェントから電話が来て、『このキャラクターにファンレターがたくさん届いていて、ジョージ(※ジョージ・ルーカス監督)が次作にも登場させたいと言っている。出演するか?』と聞かれた。もちろんやるさ、誰が断るんだい?」
2012年にはアニメ特別番組『レゴ スター・ウォーズ エンパイア・ストライクス・アウト』でもピエット提督役として声の出演を果たしている。
1937年12月7日、マンチェスターに生まれたコリー氏は、1961年にプロの俳優としての道を歩み始め、ロンドンのオールド・ヴィック劇場、ロイヤル・コート劇場、そしてロイヤル・シェイクスピア・カンパニーでも活躍した。
1960年代には『The Avengers(原題)』(1961〜69年)『コロネーション・ストリート』(1960年~現在)『Emergency-Ward 10(原題)』(1957~67年)などのテレビ番組にも出演し、映画『ジョン・レノンの僕の戦争』(1967年)や『素晴らしき戦争』(1970年)などにも登場した。
他の代表作としては、BBCによる1979年の『尺には尺を』におけるウィーン公爵、クリント・イーストウッド主演の『ファイアーフォックス』(1982年)におけるソ連の大佐、NBCのテレビ映画『Wallenberg: A Hero’s Story(原題)』(1985年)でのアドルフ・アイヒマン、ABCのミニシリーズ『War and Remembrance(原題)』(1988〜89年)でのナチス、1986年のディズニーチャンネル版『宝島』では海賊ベン・ガン、さらに2016年のBBCドラマ『ピーキー・ブラインダーズ』では犯罪組織のボスを演じた。
ピエット提督役としての出演により、世界中の『スター・ウォーズ』イベントやファンコンベンションでも高い人気を得ていた。
2008年のインタビューで彼はこう述べている。「身を任せることは、1つの生き方になる。今や、私たちは第3世代に入っていると思う。つまり、当時を知らずに生まれた人々の世代がそれに触れ、この出来事を生かし続けている。私にとっての実体験はずいぶん昔のことだが、こうした“第2の体験”は今でも続いている。ついさっきも、誰かのために写真にサインをしたばかりだ。それはおそらく、私の死後も残り続けるのではないかと思う。」
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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