『国宝』興収71億円突破で100億円の大台も視野、主演・吉沢亮「総合芸術としてのクオリティの高さが魅力」

俳優の吉沢亮が25日、主演映画『国宝』の特大ヒット御礼舞台挨拶を、李相日監督とともに東京・109シネマズプレミアム新宿で行った。
24日までの公開49日間で観客動員510万人、興行収入71億7000万円を記録。しかも、公開から4週連続で週末の興収が前週を上回る異例のヒットとなっており、実写の日本映画では歴代20位に入った。

吉沢は、「こんなにもたくさんの人に愛していただき、熱が冷めない状態が続いていてうれしく思う。見た方の感想が途轍もない熱量で、集中して見たくださったことが伝わり、凄い広がりを肌で感じています」と満足げな笑顔。李監督も、「見てくださった方のおかげ。感謝の言葉しか出てきません。見た方1人1人に、長く語り継がれる作品に押し上げていただいた」と相好を崩した。
やくざの家に生まれた喜久雄が、上方歌舞伎の名家に引き取られ才能が開花。その家の御曹司・俊介としのぎを削りながら、人間国宝を目指す50年が描かれる壮大な叙事詩だ。吉沢は、観客から印象に残っている歌舞伎のシーンを問われると「一番練習したのは『藤娘』。あの後20分くらい踊っていて、どこかでちょっと自信があると思っていたら17秒くらいでビックリした」とおどけながら明かした。
9月4日に開幕するカナダ・トロント国際映画祭への出品、全米での公開も決定。李監督は、「ヨーロッパやアジアとは違う文化圏でどんな反応かを楽しみつつ、北米の映画ファンにとっての大きな窓口になる映画祭なので、米国の人たちにどう届くのか考えながらアピールしたい」と意欲を語った。

音楽の原摩利彦氏、主題歌「Luminance」を歌うロックバンド「King Gnu」の井口理が祝福のためサプライズで登壇。井口と親交のある吉沢は、「理の詩が素晴らしいのは知っているけれど、作品のさまざまな思いを消化してくれる歌声と音だった」と絶賛した。
同作は、実写の日本映画として4作目となる興収100億円突破も視野に入ったとの推計も出ている。吉沢は、「出ている役者の芝居、カメラワーク、ライティング、音楽と総合芸術としてのクオリティの高さが大きな魅力。もっと広がっていけばうれしいし、共に盛り上げていきましょう」と呼びかけた。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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