菊池日菜子『長崎』舞台挨拶で福山雅治からのメッセージに「言葉の強さに感銘」
原爆投下後の長崎で、被爆者や負傷者の救護に従事した看護学生たちを描く映画『長崎―閃光の影で―』の公開記念舞台挨拶が2日、東京・TOHOシネマズ日本橋で行われた。舞台となった長崎で先月25日に先行公開。今月1日から全国に拡大され、看護学生を演じた菊池日菜子、小野花梨、川床明日香と松本准平監督が登壇した。
看護師たちの証言集「閃光の影で―原爆被爆者救護 赤十字看護婦の手記―」をベースに、被爆三世の松本監督が脚本(共同)を執筆。「映画を始めた時から原爆の映画を撮るのが念願でした。僕の手から離れ、皆さんのもとに届くこと願ってこの場に立っています」と感無量の面持ちで話した。
主演の菊池は、「少しでも未来が変わるのではないかという期待があるので、これからが楽しみ」と笑顔。小野は、「17歳の少女特有の不安定さ、つたなさを忘れてはならないという思いを大切にして演じた」と述懐。川床は、「監督がワークショップを開いてくれて、3人の関係性を撮影前につくることができた」と満足げに振り返った。
3人は、長崎出身の福山雅治が映画用にアレンジした主題歌「クスノキ」も歌っている。レコーディングでは直接歌唱指導も受け、小野は「福山さんが狭いブースにギターを持ってきて、目の前で弾いてくださった。格好良いと思って、ボーっと見てしまいました」と照れながら明かした。
その福山から「新たな命を宿して、長く聴いてもらえる歌になった。より多くの人に届くことを願っています」というビデオメッセージが届き、知らされていなかった3人は歓喜。菊池は、「言葉の強さに感銘を受けました」と感激に打ち震えた。
さらに、映画の冒頭とラストで語りを担当した被爆者の美輪明宏からも「若い世代の方には、美しい文化にふれて心を豊かにしてほしい」というコメントが到着。「無差別に奪われる命があっていいはずがない。恐怖しなくていい平和な日がいつまでも続くことを願っています。悲惨さの奥にある優しさを拾ってくれたらうれしいです」と言葉に力を込めた。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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