Netflix大ヒット『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』監督&幹部インタビュー|成功の理由と続編の可能性

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』に登場するガールズグループ兼デーモンハンターの「ハントリックス」 Courtesy of Netflix
『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』に登場するガールズグループ兼デーモンハンターの「ハントリックス」 Courtesy of Netflix
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Netflixで配信され、大ヒット中のアニメーション作品『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』。同作で監督を務めるマギー・カンとクリス・アペルハンス、Netflix映画部門責任者のダン・リンが米『ハリウッド・リポーター』のインタビューに応じ、独自のコンセプトや長期的なヒットの背景について語った。

ネットで話題となり異例のロングランヒット

火曜日に発表されたデータによると、『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』は1億5,880万回の再生数を記録し、 Netflixの英語アニメーション作品ランキングで4位にランクインした。Netflixにとっても予想外のヒットで、サウンドトラックも音楽チャート「Billboard 200」のトップ10に数週間ランクインしている。

同作は大人気の3人組K-POPガールズグループ「ハントリックス」が、華やかなステージの裏で魔物退治に奮闘するさまを描く。共同監督のカンは同作について、「お決まりの路線からは完全に外れており、一歩間違えればとても奇妙な作品になっていたかもしれない」と語る。

同作は近年ヒットしたアニメとしては珍しいオリジナルIPだ。その大ヒットぶりは、Netflix幹部らが当初予想していた規模をはるかに超えているという。

リンは、「若い女性やK-POPファン、アニメファンが観てくれることは予想の範疇だった。さらに幅広い層に受け入れられ、大人も子どもも楽しめる作品になったことがとても嬉しい」「大人は友人や家族と、子どもは友人や兄弟と一緒にこの作品を観ている」と語った。

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』はTikTokのトレンドも生み出し、ネット上でも一躍話題となっている。例えば実在のK-POPグループZEROBASEONEなどが、作中のボーイズグループ「サジャ・ボーイズ」を再現した。リンは「ネット上に投稿された、この作品の楽曲やダンスのカバー動画、コスプレ、ファンアートを見るのが本当に楽しい。一般のファンからBTSのような有名アーティストまで投稿してくれている」と説明する。BTSジョングクは、ライブ配信でファンに向けて同作の感想を語った。

ヒットの条件が揃った「完璧な例」

カンは同作のプロジェクトに7年間携わり、アペルハンスは後から合流した。カンは同プロジェクトについて「7年の間にさまざまなプロセスを経たが、それは過酷な道のりだった」「モチベーションを維持するのは本当に大変だ。しかし、どのプロセスでもとにかく積極的に行動して乗り越え、スタジオに対して実力を証明しなければならなかった」と振り返る。

同作には、韓国のシャーマニズム的要素が反映されている。カンとアペルハンスは神話について理解を深め、作品の核を作っていったという。「古代韓国文化の表現の可能性が広がり、より歴史や文化に深く根ざす作品になった」とカンは語り、単なるK-POPを扱った作品ではないことを強調した。

リンは、Netflixが映画に求める要素として「力強く新しいストーリー、斬新な表現、大胆なアプローチ」を挙げ、「『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』はこのアプローチができている完璧な例だ」と語る。

また、同作は「自然発生的に、じっくりと視聴者を増やしていった」とリンは説明した。「この作品は、口コミが広がりソーシャルメディアで話題になるにつれて、再生数も急上昇し社会現象となった。公開から5~6週目に再生数を大きく伸ばした、数少ないアニメーション作品のひとつだ」

カンとアペルハンスは、『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』に個人的な思いを反映しているという。アペルハンスは「マギーと話し合った時、なんて素晴らしいアイデアだと思ったのを覚えている」とプロジェクト初期を振り返る。しかし、「マギーにとって意味のあるものや、映画として形にしたいものは、まだ完全には実現していない」と付け加えた。

カンはよりリアルな女性キャラクターを描きたいと考えており、作家であるアペルハンスの妻も同じアドバイスをしたという。ここから、すっぴんでソファに寝転がり、気ままに過ごす女性キャラクターが誕生した。

カンとアペルハンスによると、制作陣が「まじめすぎない姿勢」だったため、ユニークなキャラクター設定が生まれた。「スタッフと話し合うたびに『これは本当にバカげたアイデアだ!とんでもない展開になりそう』と思っていた」と、カンは会議の様子を語った。

監督・Netflix担当者が続編の可能性を示唆

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』の人気を受け、ファンやクリエイターは続編が制作されるのか注目している。実写版の制作が決まったという報道もあるが、関係者は米『ハリウッド・リポーター』に対し、「現時点で、Netflixでの実写化計画は存在しない」と語っている。

しかし、カンは「人気が衰える気配はなく、しばらくは(この作品が)私の生活の一部になると思う」と同プロジェクトの今後に触れた。

リンも「ハントリックスが次にどんな冒険を繰り広げるのかワクワクしている」「『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』は斬新なストーリーで大ヒットした。もし続編を手がけるなら、キャラクターたちの今後のストーリーをじっくり描き、第1作の魅力とアイデンティティを守りたい」と語り、続編の可能性を示した。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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