ヘレン・ミレン「女性ボンドは不成立」—ブロスナンも同意、新体制の『007』はヴィルヌーヴ監督に

オスカー女優のヘレン・ミレンが、次期ジェームズ・ボンドをめぐる議論に自らの意見を投じた。英紙『Saga Magazine』のインタビューで、彼女は「私は自分をフェミニストだと思っているけれど、女性がジェームズ・ボンドを演じるのは成立しないと思う」と率直に語った。
インタビューには、『007』シリーズで4作にわたりボンドを演じたピアース・ブロスナンも同席していた。彼もミレンの意見に同調しつつ、「次にこの役を担う俳優が新しい命を吹き込んでくれるのが楽しみだ。今は観客として見守る立場だけど、次のボンド像にはとても期待している」と笑顔を見せた。
こうしたコメントが出る一方で、制作サイドの動きも着実に進んでいる。2025年初頭、Amazon MGMスタジオが『007』映画の権利を約10億ドル(約1,478億円)で取得。新作はドゥニ・ヴィルヌーヴが監督に就任し、『ピーキー・ブラインダーズ』のスティーヴン・ナイトが脚本を執筆中だ。ナイトはBBCのラジオ番組で「同じでありながら違う、より強く、大胆で優れたボンドを描きたい」と抱負を語っている。
ファンの関心はやはり「次のボンドは誰か」という一点に集まる。名前が挙がっているのはアーロン・テイラー=ジョンソン、ジェイコブ・エロルディ、トム・ホランド、ハリス・ディキンソンら若手人気俳優たち。だが「女性ボンド」の可能性をめぐる議論も続いており、賛否両論が渦巻く。
ヘレン・ミレンに加え、『007/ダイ・アナザー・デイ』(2002年)でボンドガールを務めたハル・ベリーも、2025年のカンヌ国際映画祭でのインタビューで「女性版ボンドを見たいという声は素晴らしい。でも、それが正しいかどうかはわからない」とコメント。こうした意見は、ボンドというキャラクターが長年にわたって築いてきた“男性スパイ像”の強さを物語っている。
いずれにしても、新たな007をめぐる期待と議論は熱を帯びるばかりだ。ヘレン・ミレンとピアース・ブロスナンという大物が「ボンドは男性であるべき」と声をそろえたことで、次期作の行方にいっそう注目が集まりそうだ。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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