“予想外の社会現象”『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』2億3600万ビュー突破で続編交渉が本格化

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』Courtesy of Netflix
『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』Courtesy of Netflix
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アニメ映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』の続編制作に向け、ソニー・ピクチャーズNetflixが本格的に契約交渉に入ったことが明らかになった。
本作は公開直後から大きな話題を呼び、Netflixの“英語映画史上最多視聴作”となった大ヒット作品である。

驚きの成功と背景

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』は2021年、パンデミック下でソニーがNetflixに配給を委ねた作品だ。当時は大きなリスクを避ける判断だったが、結果的にNetflixで爆発的に視聴されることとなった。2025年8月時点で累計2億3600万ビューを突破し、ドウェイン・ジョンソン主演『レッド・ノーティス』を抜いて歴代1位に。しかも視聴層は家族や若い女性中心という“二象限映画”で、一般的には大ヒットが難しいジャンルだったことからも、この成功は予想外といえる。

さらにサウンドトラックからは4曲が同時に『Billboard Hot 100』のトップ10入り。主題歌「Golden」は大ヒットを記録し、音楽面でも社会現象化した。子どもたちの間では「6回から8回繰り返し視聴する」ケースも多く、Netflix戦略の柱である“家族向けコンテンツ強化”に大きく貢献している。

ソニーにとっての“損か得か”

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』Courtesy of Netflix
『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』より Courtesy of Netflix

配給契約ではNetflixが制作費1億ドル(約147.8億円)を全額負担し、さらにソニーへ追加で2500万ドル(約36.9億円)を支払う内容だった。これによりソニーは興行リスクを負わず、しかも20〜30%という通常より高い利益率を確保できたとみられる。ただしマーチャンダイズ権はNetflix側が独占。業界内では「劇場公開していればもっと稼げた可能性もある」という声もあり、判断の是非は今も議論されている。

続編の行方

続編については監督マギー・カンと共同監督クリス・アップルハンスを続投させる方向で調整中だ。ただし製作を進めるにはNetflixとソニー双方の合意が不可欠で、まずは契約の枠組みを再構築する必要がある。Netflix単独では続編は作れず、ソニーも同様に相手なしでは実現できない。

Netflixの映画部門トップ、ダン・リンは「口コミとSNSで支持が広がり、公開後5〜6週目でさらに視聴が伸びる珍しい現象が起きた」とコメント。ソニーアニメーションと良好な関係を維持しており、今後もパートナーとして支援していくと強調した。

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』は、無名監督によるオリジナル企画から世界的な現象にまで成長した作品だ。続編が実現すれば、Netflixとソニーの協力体制が再び試されることになる。両社が“二匹目のどじょう”をつかめるのか、業界の注目が集まっている。

※本文内の円換算は、2025年8月27日時点の為替レート(1ドル=約147.8円)

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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