デンゼル・ワシントン「映画に疲れた」──40年のキャリアを経て語る本音

アカデミー賞俳優デンゼル・ワシントンが、自身の最新作『天国と地獄 Highest 2 Lowest』のプロモーション中に意外な告白をした。「もう映画は観ないんだ。映画に疲れた」と語ったのである。
この発言は、監督のスパイク・リー、共演のA$APロッキーとともに参加したGQのインタビュー動画でのことだった。ワシントンは「映画は観ない。映画館にも行かない。正直に言うと、もう飽きてしまった」と率直に語った。これを聞いたリー監督が出演本数を尋ねると、ワシントンは「多すぎるな。たぶん50本くらいだろう」と笑いながら答えた。
ワシントンは1981年の『ハロー、ダディ!』で映画デビューを果たし、その後40年以上にわたり50本以上の作品に出演してきた。『グローリー』(1989年)でアカデミー助演男優賞、『トレーニング デイ』(2001年)で主演男優賞を受賞し、名実ともにハリウッドを代表する俳優となった。
最新作『天国と地獄 Highest 2 Lowest』では、音楽業界の大物が誘拐事件に巻き込まれ、極限の選択を迫られる姿を演じている。この映画は現在一部劇場で公開中で、9月5日からApple TV+で配信される予定だ。
ただし、ワシントンはキャリアを通じて“賞”にこだわらない姿勢を貫いている。「オスカーのために演じているわけじゃない。そんなことには興味がない」と語り、受賞の有無に意味はないという考えを示してきた。過去のインタビューでも「勝つべき時に勝てなかったり、勝たなくてもいい時に勝ったりする。人間が与えるのはただの賞にすぎない。神が与えるのは報いだ」と述べている。
さらに「トロフィーをどこに置いているのかとよく聞かれるが、もうひとつの隣に置いているだけだ」とし、特別な思い入れはないと強調した。「最後の日にオスカーは何の役にも立たない」とも語っている。
インタビュアーが「神は『オスカーをいくつ持っているか』とは聞かないだろう」と言うと、ワシントンは「そうだな。『だから余分に一週間与えたんだ』と言うかもしれないな。最後に『さあ来い』と言ってくれればそれでいい」と応じた。
キャリアの集大成ともいえる時期に入ったデンゼル・ワシントン。その言葉からは、栄光や賞ではなく、演じ続けてきた年月そのものにこそ価値を見いだしていることが伝わってくる。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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