チャーリー・カーク氏銃撃でMSNBC解雇 発言波紋と米メディア再編

(左から)コムキャストCEOブライアン・ロバーツ、社長マイク・カヴァナ、2018年7月アメリカ・アイダホ州サンバレーにて 写真:Drew Angerer/Getty Images
(左から)コムキャストCEOブライアン・ロバーツ、社長マイク・カヴァナ、2018年7月アメリカ・アイダホ州サンバレーにて 写真:Drew Angerer/Getty Images
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今週、保守系政治活動家チャーリー・カーク氏が暗殺された事件を受け、コムキャストの幹部は現地時間9月12日(金)、社員に対し「たがいの考えを尊重し合う議論を保つべきだ」と呼びかけたのである。

幹部声明と契約終了の発表

ブライアン・ロバーツCEO、マイク・カヴァナ社長、そしてヴァーサントCEOのマーク・ラザルスは、同日朝に声明を発表した。そこでは、事件直後に不適切な発言をした米ニュース専門放送局「MSNBC」のコントリビューターであるマシュー・ダウドとの契約終了を認めつつ、会社としての姿勢を改めて示した。

※コントリビューターとは、社外のジャーナリストや元政治家、専門家などがニュース番組で解説を行う外部協力者のこと。

マシュー・ダウド 写真:Max Whittaker/Getty Images
マシュー・ダウド 写真:Max Whittaker/Getty Images

「あの報道は、建設的な対話や異なる意見を傾聴する姿勢に逆行するものであった。我々は力強く、そして情熱的に意見を戦わせることができる。しかし、最終的には敬意をもって臨まねばならない。我々は、より良い姿勢を示さなければならないのだ」と彼らは記した。

祝賀パーティーで伝えられた余波

現地時間9月10日(水)の夜、『スクワークボックス』放送開始30周年を祝うパーティーに姿を見せたのは、コムキャストのブライアン・ロバーツとマーク・ラザルスであった。その場で、MSNBCのコントリビューターであるマシュー・ダウドとの契約終了が伝わった。イベントに登壇したCNBC社長のKCサリバンは、チャーリー・カーク氏銃撃事件の悲劇に言及し、会場に重い空気が漂った。

右翼活動家のチャーリー・カーク氏、2025年3月6日、カリフォルニア州立大学ノースリッジ校での討論会にて
右翼活動家のチャーリー・カーク氏、2025年3月6日、カリフォルニア州立大学ノースリッジ校での討論会にて 写真:BENJAMIN HANSON/MIDDLE EAST IMAGES/AFP/GETTY IMAGES

公共の言論に対する警鐘

翌日公表された書簡で、ロバーツ、カヴァナ、ラザルスの3人は「公共の言論のあり方が変質しつつある」と警鐘を鳴らした。そして、情報の力を信じる企業として「社会をより良い方向へ導くため、我々はその影響力を正しく用いなければならない」と訴えたのである。

「公共の対話において、本質的な何かが損なわれてしまった。我々はその亀裂を癒す責務を負っているのだ」と彼らは書いている。

組織再編の行方

なお、ヴァーサントは年内にNBCユニバーサルから分離する予定であり、ラザルスがCNBCとMSNBCを率い、NBCニュースはNBCユニバーサルに残る見込みである。

書簡(抜粋)

「31歳の若さで命を奪われたチャーリー・カーク――彼は父であり、夫であり、信仰を重んじ、自由な議論を支持する活動家であった――その死は、命の儚さと、この国における団結の必要性を痛切に思い起こさせる。我々の心は悲しみに包まれている。彼の家族は深い喪失に直面し、そしてこの国全体が分断という現実に向き合わざるを得ない。我々の社会に暴力や憎悪の居場所はないのだ」

MSNBCは先ごろ、この悲劇的事件に関して不適切で無神経な発言を行ったコントリビューターとの関係を打ち切った。あの報道は、対立する意見に耳を傾け、健全な対話を育む姿勢とは相容れないものであった。我々は力強く、そして情熱的に議論を交わすことができる。しかし最終的には、たがいに敬意を払わねばならない。我々は、もっと良い姿勢を示さなければならないのだ。

チャーリー・カークは「人々が語り合うのをやめたとき、恐ろしい事態が始まる」と信じていた。その政治的見解に賛否があろうとも、彼の言葉と行動は、尊重ある意見交換を保つことの切実さを浮き彫りにしている。我々が守らねばならない原則である。

言葉には人々を結びつける力があると、我々は信じている。そして今日ほど、その信念が重要であると感じられる時代はない。公共の対話において、本質的なものが崩れ去ってしまった。我々は情報の力を信じる企業として、その断絶を修復する責務を負っているのだ。

社員として、我々は日々の業務と地域社会において企業の価値観を体現することを求められている。たがいを尊重し、耳を傾け、そして人々に思いやりをもって接する。それが我々に課せられた使命である。

チャーリー・カーク氏 写真:Chip Somodevilla/Getty Images
チャーリー・カーク氏 写真:Chip Somodevilla/Getty Images

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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