【第38回東京国際映画祭】クロージングはクロエ・ジャオ『ハムネット』、オープニング&ガラ作品ラインナップ発表

ガラ・セレクションを含む多彩なラインナップを発表
第38回東京国際映画祭(TIFF)が2025年10月27日(月)から11月5日(水)まで開催される。今年はクロージング作品に、アカデミー賞監督クロエ・ジャオの最新作『ハムネット』が決定。オープニングからクロージングまで、世界中の注目作が集結する充実のプログラムが明らかになった。
クロージング作品『ハムネット』
『ノマドランド』でアカデミー賞®監督賞を受賞したクロエ・ジャオが手掛けた『ハムネット』は、マギー・オファレルの世界的ベストセラー小説を映画化。ウィリアム・シェイクスピアの息子の死と『ハムレット』誕生の背景を重ね合わせて描いた感動作である。主演はジェシー・バックリーとポール・メスカル。今年のトロント国際映画祭では観客賞を受賞しており、TIFFでのクロージング上映にも期待が高まる。
プログラミング・ディレクターの市山尚三は「歴史的事実を題材にしながらも、愛と喪失を普遍的に描いた傑作。今年を代表する一本」と評価している。ジャオ監督は本年度「黒澤明賞」受賞も決定しており、映画祭を象徴する存在となる。
オープニング&センターピース作品
オープニング作品は、中野量太監督による『てっぺんの向こうにあなたがいる』。女性として初めてエベレスト登頂に成功し、さらに世界七大陸最高峰の登頂を達成した登山家、故・田部井淳子の生涯を描く壮大な伝記映画である。
センターピース作品には、山田洋次監督の『TOKYOタクシー』が選ばれた。多彩な乗客の人間模様を描き出し、東京という都市の奥行きを映し出す。
第38回東京国際映画祭「ガラ・セレクション」部門
映画祭を彩る「ガラ・セレクション」には14作品が集結。アリ・アスター監督の『エディントンへようこそ』、『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』をはじめ、ソフィア・コッポラ、ホン・サンスら世界的監督の最新作や、中野量太監督の『兄を持ち運べるサイズに』、韓国映画、若手監督による新作など、2025年を代表する多彩なラインナップが揃った。
アニメーション&ドキュメンタリーも充実
アニメーション部門では、日本初上映となる国内外の注目作がラインナップ。アヌシー国際映画祭で準グランプリを受賞した『ChaO』、同映画祭長編コンペティション部門正式出品である木下麦監督の『ホウセンカ』など、国内外で注目を集める作品が揃った。
予告編・フェスティバルソング・ポスター公開
2025年9月19日より公開が始まった第38回東京国際映画祭の公式予告編は、オープニングやガラ作品を網羅した60秒の映像となっている。音楽には14歳のシンガーソングライターo.j.oによる『Blam!』が起用され、“第38回東京国際映画祭フェスティバルソング”に選ばれた。
さらに公式ポスターは、大島依提亜デザイン、今泉力哉監督演出によるビジュアル。『SHOGUN 将軍』出演俳優の穂志もえか、キャ・ノンが登場し、「まなざすこと」「誰かが誰かを見つめること」をテーマに制作された。
予告編映像:TIFF公式YouTube
グッズ展開も充実
公式グッズでは、廃棄スクリーンを再利用したブランド【SCRE:EN】とのコラボレーションに加え、「FREAK’S STORE」監修のオリジナルグッズも登場。名作映画のセリフ入りブックマーク(しおり)全6種は10月15日から販売開始となる。
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