J.K.ローリング、ワトソンを批判「彼女は無知に気付いていない」

『ハリー・ポッター』シリーズの生みの親であるJ.K.ローリングは、エマ・ワトソンとのトランスジェンダーの権利に関する対立をめぐり、SNS上でワトソンを非難し、「彼女は実生活の経験が乏しく、自分の無知に気付いていない」と述べた。
ローリングはイギリスにおける反トランスジェンダー政策の支持を表明しているが、その姿勢がトランスフォビア的だとたびたび批判にさらされてきた。一方、ワトソン、ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリントの3人はトランスジェンダーコミュニティへの支持を表明している。
ワトソンは最近の雑誌やポッドキャストでローリングとの関係を問われ、「互いの見解の違いと、関係性の悪化について切り離したい」という趣旨の発言を続けている。ワトソンのこうした中立的な発言に驚くファンもいた。
しかし、ローリングはこのワトソンの発言に対してX上ですぐに反論した。9月29日(月)の投稿で、ローリングはこのように述べている(以下、要約)。
私が創作したキャラクターをかつて演じた俳優だからといって、永遠に私に同意しなければならないということはありません。そんな考えは馬鹿げています。
エマ・ワトソンやその共演者たちは、ジェンダーアイデンティティーに関する思想を受け入れる権利があります。こうした信念は法律で保護されており、そのせいで仕事を失ったり、暴力を受けたり、命を奪われたりするようなことがあってはなりません。
しかし、特にエマとダン(ラドクリフ)はここ数年で、私たちのかつての仕事上の関係が、彼らに特別な“義務”を与えていると明らかにしてきました。『ハリー・ポッター』への出演が終了して何年も経った今でも、彼らはこの作品の“顔”としての役割を担い続けているのです。
(彼らのことを)10歳の頃から知っているので、ある種の保護意識を捨てるのは難しいものです。しかしここ数年、私は特にエマについてコメントするよう求める記者たちの要請を、繰り返し断っています。
ところが、エマは公の場でさらに火に油を注いだ直後にもかかわらず、「あなたが今体験していることに本当に申し訳なく思う」という一文だけが書かれたメモを、人づてに渡してきたのです。これは、私に対する「殺害、レイプ、拷問の脅迫」が最も過激だった時期で、私は家族の安全を常に心配し、セキュリティ対策を大幅に強化しなければなりませんでした。
エマは実生活の経験があまりにも乏しいので、自分がいかに無知なのかすら理解していません。彼女がホームレスシェルターを必要とすることはなく、男女混合の公立病院に入院することもないでしょう。トイレに入る時もドアの外には警備員が立っています。
私は14歳で億万長者になったわけではありません。エマの名を知らしめた『ハリー・ポッター』シリーズを書いている間、私は貧困生活を送っていました。エマが熱心に参加している女性の権利破壊(運動)が、エマのような特権を持たない女性や少女に何をもたらすか、私は人生経験を通じて理解しています。
最大の皮肉は、エマが最近のインタビューで「私を愛し大切にしている」と宣言したことです。おそらく、私を非難することが前より注目されなくなったからだと思いますが――この発言がなかったら、私はここまで正直に意見を言わなかったでしょう。
エマには私に反対する権利があり、私に対する意見を公表する権利もあります。しかし、私にも同じ権利があるので、ついにそれを行使することにしました。
ワトソン自身も、出演したポッドキャストにおける発言で批判を浴びた。あるユーザーはXに「ローリングがトランスジェンダーの人々を公に攻撃しているにもかかわらず、(エマが)『(ローリングを)まだ愛している』と言うのは、その被害から離れた場所にいるからだ。それは寛容なのではなく、ただの特権だ」と投稿し、1万3,000件以上の「いいね!」が付いた。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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