トニー賞受賞ニコール・シャージンガー、カーネギー・ホールで感動のライブ

人気ガールズグループ、プッシーキャット・ドールズのリードシンガーであり、トニー賞受賞者でもあるニコール・シャージンガーが、カーネギー・ホールで一夜限りの公演を行った。
夢の舞台で初登場:カーネギー・ホールの一夜
現地時間10月8日(水)の夜、ニコール・シャージンガーはニューヨークのカーネギー・ホールで一夜限りのコンサートを開催し、2025年のトニー賞・ミュージカル主演女優賞でトニーを受賞した勢いのまま、同ホールでの初登場を果たした。
『サンセット大通り』でノーマ・デズモンド役を演じたシャージンガーは観客に向けてこう語った。「この数年で本当に多くの夢が叶いました。でも、ここまで大きな夢は見ていなかったかもしれません。幼い頃からずっと『いつかカーネギー・ホールで歌うんだ』と言い続けてきました」
名曲へのオマージュ
幕開けは全身ゴールドの装いでミュージカル『ファニー・ガール』の「パレードに雨を降らせないで(原題:Don’t Rain on My Parade)」を熱唱。曲の冒頭を再度歌うことで、オリジナルスターのバーブラ・ストライサンドに捧げる粋なオマージュも披露した。
続いて、敬愛するアーティストに捧げて、シャーリー・バッシーの「ダイヤモンドは永遠に(原題:Diamonds Are Forever)」、ミュージカル『フォリーズ』より“Losing My Mind”、そしてプリンスの“Purple Rain”を披露。
この夜を特別なものにしたのは、持ち前の歌唱力に加え、シャージンガーのユーモアも光ったことだ。いわゆる“ディーヴァ”ネタで笑いを誘い、ローレンス・オリヴィエ賞とトニー賞のトロフィーを披露。さらには“Bullshit”という痛快な新曲を初披露。「“何か”に取り組んでいる」と明かし、新たな音源の予告も匂わせた。
拡声器セルフ・パロディと機転の原点
終盤には拡声器まで持ち出し、2025年4月23日に『サンセット大通り』のマチネ公演直前に機材トラブルが起きた際、上演中止の代わりに拡声器で“With One Look”を歌って“疑似体験”を届けた、あのバイラルな瞬間をセルフ・パロディとして再現。
5月、トニー賞にノミネートされた際には米『ハリウッド・リポーター』に対し、「ポップスターとしてのメンタリティが、とっさの判断に役立った」と話していた。
涙と喝采—7度のスタンディングオベーション
ステージは終始ハイテンションで楽しい雰囲気である一方、シャージンガーにとって感極まる場面もあった。曲間で涙をぬぐう姿も見られ、夜の間に7度のスタンディングオベーションを受け、胸がいっぱいになった様子であった。『サンセット大通り』の“As If We Never Said Goodbye”を歌い終えると、バルコニー席にいた演出家ジェイミー・ロイドに向かって感謝を伝えた。
「ポップスター時代」再現からラストナンバーへ
最後はプッシーキャット・ドールズのリードシンガーとしての“ポップスター時代”を再現し、“Buttons”、“When I Grow Up”、“Don’t Cha”を歌い、客席へ降り、観客と一緒に歌い踊るひと幕となった。ラストナンバーは2011年のソロ曲“Don’t Hold Your Breath”。シャージンガーは観客に向かってこう締めくくった。「今夜、皆さんは他にもいろんな場所に行けたはず。でもここで、私と、そしてみんなと一緒に過ごしてくれた。それが私にとって何よりの宝物です」
なお、カーネギー・ホール公演は、全3公演ツアーのうち2公演目である。現地時間10月13日(月)にはロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで歌い、現地時間10月30日(木)にロサンゼルスのウォルト・ディズニー・コンサートホールで締めくくる予定だ。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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