K-POP史上初！『デーモン・ハンターズ』の「Golden」がグラミー主要部門にノミネート

グラミー複数部門ノミネートの快挙

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』でヒーローたちの歌声を担当したEJAE、オードリー・ヌナ、そしてレイ・アミの3人が、2026年グラミー賞で複数部門にノミネートされたのだ。映画とその音楽が世界を席巻していることを裏付ける、最新の快挙である。

「いろんな感情が渦巻いています。もちろん純粋な歓喜もその奥深くにありますが、同時に“信じられない”という気持ちもありますね」と、ノミネート発表直後にオードリー・ヌナは米『ハリウッド・リポーター』の取材に語った。

（左から）EJAE、レイ・アミ、オードリー・ヌナ、2025年のVMA（ビデオ・ミュージック・アワード）にて写真：Manny Carabel/Getty Images for MTV

「この道のりがどれほど長いものだったかを思うと、本当にいろんな感情が込み上げてきます」とヌナは続ける。「その過程で感じた痛みや、まるでジェットコースターのような浮き沈み――そうしたものすべてに、どこかでつながっているような気がするんです。それが今、この一瞬に凝縮されているような感覚ですね」

メガヒット曲「Golden」、主要部門を席巻

映画の大ヒット曲「Golden」は、この夏のほとんどの期間にわたってビルボード・ホット100の首位を独走した。そして今回、同曲は「ソング・オブ・ザ・イヤー（年間最優秀楽曲）」にノミネートされ、共作者のマーク・ソネンブリックも同部門での候補入りを果たした。「Golden」はさらに「最優秀ポップ・デュオ／グループ・パフォーマンス賞」および「最優秀映像作品向け楽曲賞」にもノミネートされている。

また、デヴィッド・ゲッタによるリミックス版も「最優秀リミックス録音賞」に選出された。加えて、『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』のサウンドトラック自体も「最優秀映像作品向けコンピレーション・サウンドトラック賞」にノミネートされている。

K-POP史上初、「ソング・オブ・ザ・イヤー」への挑戦

「ソング・オブ・ザ・イヤー」へのノミネートは、K-POPグループの楽曲としては史上初の快挙だ。今年はBLACKPINKのメンバー、ロゼも「APT.」で同部門および「レコード・オブ・ザ・イヤー」にノミネートされ、K-POPアーティストとして初めて一般部門に名を連ねた。

ブルーノ・マーズ＆ロゼのコラボ曲「APT.」のMVより写真：John V. Esparza

「ノミネートの知らせを聞いた瞬間、頭が真っ白になりました」とレイ・アミは冗談めかして語る。「今もまだ放心状態です。たぶん、今朝のことは数時間後にはもう覚えていないと思いますね」

Netflix史上最大のヒット作

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』は、現在Netflix史上もっとも人気のあるタイトルとなっている。物語は、異界のモンスターと戦う3人組K-POPガールズグループ「HUNTR/X（ハントリックス）」の冒険を描いたものだ。配信ランキングで首位を獲得しただけでなく、サウンドトラックもビルボード200チャートのトップ10に数週間にわたりランクインしている。米『ハリウッド・リポーター』は8月にNetflixとソニー・アニメーションが続編企画を進めていると報じていたが、今週初め、監督と制作スタジオが正式に次回作への契約を結んだことが確認された。

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』写真：Netflix — 『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』より写真：Netflix

3人が分かち合う、“ゴールデン”な瞬間

3人にとって、今この瞬間はまさに“ゴールデン”だ。その理由は多くあるが、なによりも3人一緒に歩んできたことが最大の喜びだという。
「オードリーとEJAEには本当に感謝している。彼女たちなしではここまで来られなかったし、3人がいてこその〈ハントリックス〉なんです」とレイ・アミは語る。「もし一人でやっていたら……考えるだけで悲しくなる。そんな孤独な道は歩きたくないですね」

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EJAEもまた、「この経験は本当に特別で、同じ気持ちを分かち合える仲間がいるのはすばらしいこと」と語り、他の2人から多くを学んだと話す。

2025年6月16日、Netflix主催の『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』特別上映イベントに出席したボーカリストのEJAE　写真：Alberto E. Rodriguez/Getty Images

“姉妹の絆”が導く未来

そしてオードリー・ヌナは、静かにこう締めくくる。「この“姉妹の絆”は本当にすばらしいものです。3人で肩を並べて歩めること――少し変な言い方かもしれませんが、私たちの祖先のことを思い出すんです。まるで3人の祖先たちが一緒にキムチを分け合っているような、そんな愛しい光景が浮かんでくる。女性たちの連帯はこれまでも多くの困難を乗り越え、世界を前進させてきました。今の私たちも、その美しい形のひとつなんだと思います。仲間の2人を心から愛してる。彼女たちは最高です」