『国宝』実写邦画の歴代興収1位の173億円突破、『踊る2』を22年ぶり更新
映画『国宝』が、24日までの公開172日間で観客動員1,231万1,553人、興行収入173億7,739万4,500円に到達。興収ランキングで、2003年『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』の173億5,000万円を抜き、実写邦画の歴代1位に躍り出た。25日、配給元の東宝が発表した。

吉田修一氏の同名小説を李相日監督が映画化した同作。歌舞伎界に引き取られたやくざの息子(演:吉沢亮)が、名家の御曹司(演:横浜流星)としのぎを削り、人間国宝を目指す50年を描く一大叙事詩だ。5月にカンヌ国際映画祭の監督週間でワールドプレミアが行われ、以降、上海、トロントなど海外の映画祭でお披露目されてきた。

日本の伝統芸能を題材にした3時間近い長尺にもかかわらず、6月6日の公開から驚異的に数字を伸ばす大ヒット。8月には第98回アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表となり、今月21日に映画芸術科学アカデミーが正式な候補作に認定した。

来年の全米公開も決まっており、ロサンゼルス、ニューヨークでは一部劇場で先行公開中。今月18~23日には李監督と吉沢が両都市を訪れ、来月16日のショートリスト、来年1月22日のノミネートに向けたキャンペーンで舞台挨拶を行った。
アニメーション映画を合わせても同作は歴代7位の興行収入に。洋画を含めても11位に入っており、ベストテン入りも視野に入ってきた。
◇日本の歴代興収ランキング◇
1.『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(2020)407億5,000万円
2.『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』(2025)381億5,000万円※
3.『千と千尋の神隠し』(2001)316億8,000万円
4.『タイタニック』(1997)277億7,000万円
5.『アナと雪の女王』(2014)255億円
6.『君の名は。』(2016)251億7,000万円
7.『ONE PIECE FILM RED』(2022)203億4,000万円
8.『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001)203億円
9.『もののけ姫』(1997)201億8,000万円
10.『ハウルの動く城』(2004)196億円
11.『国宝』(2025)173億7,739万4,500円※
※は公開中
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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