ガイ・ピアース、誤情報拡散で謝罪――パレスチナ支持投稿に陰謀論も含まれていたと判明

第97回アカデミー賞の授賞式において、「Free Palestine(パレスチナに自由を)」のピンを付けて登壇したガイ・ピアース(2025年3月2日撮影) 写真:NGELA WEISS/AFP via Getty Images)
第97回アカデミー賞の授賞式において、「Free Palestine(パレスチナに自由を)」のピンを付けて登壇したガイ・ピアース(2025年3月2日撮影) 写真:NGELA WEISS/AFP via Getty Images)
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俳優ガイ・ピアースが、パレスチナ支持を示す過程でソーシャルメディアに「誤情報や虚偽の内容」を投稿したとして、謝罪を表明した。これは『Jewish News』の報道によるものである。

極右活動家の動画や陰謀論的投稿の共有

同メディアによれば、ピアースは白人至上主義者として知られる極右活動家ニック・フエンテス氏の動画を含む投稿をシェアしたとされる。また、「主要なポルノ企業トップ3はユダヤ系の人々が所有している」とする主張や、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件をイスラエルのせいにする内容、さらにはイスラエル当局が米保守系評論家チャーリー・カーク氏の暗殺を画策しているとする陰謀論的投稿も拡散したと報じられている。

右翼活動家のチャーリー・カーク氏、2025年3月6日、カリフォルニア州立大学ノースリッジ校での討論会にて
米保守系評論家のチャーリー・カーク氏、2025年3月6日、カリフォルニア州立大学ノースリッジ校での討論会にて 写真:BENJAMIN HANSON/MIDDLE EAST IMAGES/AFP/GETTY IMAGES

「シオニスト」をめぐる投稿の共有

さらに、「Corefitnessbynaz2」と名乗るアカウントの投稿も共有したとされ、その内容には次のような文言があったという。

「シオニスト※が『イスラムがアメリカを破壊する』と言うときのことを思い出してほしい……ラスベガスの大手カジノやホテルのいくつかは、ギャンブル依存や借金、売春を生み出してきたが、それらはユダヤ系シオニストが創設し所有してきた……シオニスト(ユダヤ人ではなく)は、自分たちが生み出す腐敗に立ち向かう人々を恐れさせようとしているのだ」

※シオニズム(Zionism)という思想・運動を支持する人を指します。シオニズム=ユダヤ人が歴史的にゆかりのある地(現在のイスラエル周辺)に自らの国家を建設し、維持すべきだとする考え方で、19世紀末にヨーロッパで台頭しました。「シオニスト」は民族を指す言葉ではなく、政治思想や立場を示す用語です。

ガイ・ピアースの謝罪コメント

『Jewish News』の取材に応じたピアースは、あらためて謝罪の言葉を述べている。

「パレスチナへの支援を示す中で、誤情報や虚偽の内容を含む記事や声明を意図せず再投稿してしまったことがわかりました」とピアースは語った。「不正確な情報を共有することが混乱や不安を招くのは承知している。その点について心からお詫びしたい。今後は、オンラインで何かを共有する際には、より慎重に内容を確認するよう努めるつもりだ」

過去の授賞式で示してきたパレスチナ支持

ピアースはこれまでもパレスチナ支持を積極的に表明してきた俳優である。今年初めに行われたアカデミー賞授賞式では、『ブルータリスト』でノミネートされたピアースが、タキシードに「Free Palestine(パレスチナに自由を)」の文字を刻んだ白いエナメル製のハトのピンを添えて登場し、さりげなく意思を示したことでも注目を集めた。

第97回アカデミー賞の授賞式において、「Free Palestine(パレスチナに自由を)」のピンを付けて登壇したガイ・ピアース 写真:NGELA WEISS/AFP via Getty Images
第97回アカデミー賞の授賞式において、「Free Palestine(パレスチナに自由を)」のピンを付けて登壇したガイ・ピアース 写真:NGELA WEISS/AFP via Getty Images

カンヌ映画祭でのピン修正騒動

さらに、2024年のカンヌ国際映画祭では、ピアースはパレスチナ国旗をあしらったピンを身につけて登場した。この写真がヴァニティ・フェア・フランスのウェブサイトに掲載された際、ピンがフォトショップで消されていたことが発覚し、大きな物議を醸した経緯がある。

当時、ピアースはCNNに対し、「ネタニヤフ政権の報復的な政策によって、パレスチナの人々が深刻な苦難と喪失にさらされている中、ヴァニティ・フェアのような信頼ある媒体が、私が、あるいはだれであれ、示した支援を消し去ろうとするのは、きわめて残念だ」と語っている。

反ユダヤ主義監視団体の見解と懸念

また、反ユダヤ主義監視団体「Campaign Against Antisemitism」の広報担当者は、ピアースが『Jewish News』に示した謝罪を受け入れつつも、その言葉が実際の行動として示されるかどうか、今後注視していく姿勢を明らかにしている。

「ガイ・ピアースは、もっとも有害な反ユダヤ的陰謀論を助長する内容を長年にわたり拡散してきた人物である」と、広報担当者は語る。「彼の投稿は無害なアクティビズムなどではなく、古典的な反ユダヤ主義の系譜に明確に位置づけられる思想を広めてきたものだ。今回の謝罪は一歩前進であり、誤情報が引き起こす損害を自ら認めたことも評価できる。だが、事後に謝ること自体は容易だ。重要なのは、今後、彼が本当に態度を改め、この種の内容を広める行為をやめるのかどうかである」

そして広報担当者は続けてこう指摘する。「エージェント、映画スタジオ、スポンサー企業は、彼の動向を注視している。だれを支持し、だれとかかわるのかを慎重に判断すべき時である。ガイ・ピアースが責任ある人物かどうかは、最新の発言ではなく、これまでの行動そのものが示すはずだ」

過去のトランス俳優のキャスティング巡る発言と謝罪

なお、ピアースがソーシャルメディアでの投稿をめぐり謝罪するのは、今回が初めてではない。2023年には、トランス俳優のキャスティングに関する一連の投稿が批判を呼んだ。

当時、ピアースは、「質問だ。もしトランスキャラクターを演じてよいのがトランスの当事者だけだとしたら、トランスの俳優が演じられる役もトランスキャラクターだけということになるのだろうか?それでは俳優としてのキャリアを制限することになるのでは?俳優とは、自分の世界を超えただれかを演じることに意味があるのでは?」と投稿した。

その後、これらのツイートは削除され、ピアースは謝罪の声明を出している。「Twitterのような場で、キャスティングにおけるジェンダー・アイデンティティの問題を取り上げたのは適切ではなかったと理解している。その点について、深くお詫びしたい。私が意図していたのは、演技という行為の定義を擁護する、ただその一点だった」と述べた。

米『ハリウッド・リポーター』は、ピアース側に追加コメントを求めている。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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