トニー賞候補ジェレミー・O・ハリス、沖縄で麻薬密輸容疑―那覇空港でMDMA押収の全容とは

ジェレミー・O・ハリス 写真:HBO
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沖縄で麻薬密輸容疑 ジェレミー・O・ハリスが拘束

トニー賞候補に名を連ね、舞台『スレイヴ・プレイ』で知られる劇作家にして、A24映画『Zola ゾラ』の共同脚本家でもあるジェレミー・O・ハリスが、沖縄での麻薬密輸容疑により身柄を拘束され、すでに約3週間が経過している。これは当地の当局および複数の国際報道によって明らかになった事実である。

那覇空港での摘発 押収されたMDMAの量とは

36歳のハリスは、11月16日、那覇空港で税関職員により拘束された。職員によれば、彼のトートバッグからMDMAを含む結晶状の物質が780ミリグラム見つかったという(純粋なMDMA、いわゆるエクスタシーの一般的な遊興用量は75〜125ミリグラム程度とされている)。その後、沖縄の検察は税関当局から刑事告発を受け、事件は正式な訴追に向けて動きつつある。現時点で、ハリスが罪状を認めているのか、あるいは日本で弁護人を確保しているのかについては明らかにされていない。

ジェレミー・O・ハリス(2022年2月16日撮影)写真:Michael Tran/Getty
ジェレミー・O・ハリス(2022年2月16日撮影)写真:Michael Tran/Getty

数日前まで、ハリスはサウジアラビアで開催されるレッドシー国際映画祭2025に参加し、ピート・オー監督作『Erupcja(原題)』をPRする予定であった。本作はポップスターのチャーリーxcxと共演する超現実的なロードムービーであり、ハリスとxcxは脚本・製作にも名を連ねている。しかし映画祭側は彼の不参加についてコメントを控えており、プログラムからは静かに姿を消す形となった。

ブロードウェイを席巻した新鋭劇作家ハリスの軌跡

イェール・スクール・オブ・ドラマの出身であるハリスは、ブロードウェイ史上最多のトニー賞ノミネート数を記録した『スレイヴ・プレイ』で一躍名を広めた。舞台を越えた活動も精力的で、HBO『ユーフォリア/EUPHORIA』では共同プロデューサーとして参加し、オリヴィエ・アサイヤス監督のHBOドラマシリーズ『イルマ・ヴェップ』ではスーパーバイジング・プロデューサーを務めている。

ジェレミー・O・ハリス 写真:Micaiah Carter
ジェレミー・O・ハリス 写真:Micaiah Carter

日本の厳格な麻薬取締法と量刑の実情

一方、日本は先進国の中でも特に厳しい麻薬取締法を運用しており、少量所持であっても厳しく起訴され、長期間の身体拘束が続くことも珍しくない。有罪となれば数年規模の懲役刑が科される可能性がある。ただし、他のアジア諸国の一部と異なり、日本では薬物犯罪に死刑は適用されていない。

繰り返される「来日アーティスト逮捕」

ハリスの逮捕劇は、過去に日本で物議を醸した外国人エンターテイナーの事例を思い起こさせる。2018年にはグラミー賞受賞DJデヴィッド・モラレスが同様の容疑で拘束され、さらに有名な例としては、1980年に大麻所持で逮捕され、長期の入国禁止措置を受けたポール・マッカートニーの事件がある。これらの先例と重なるように、今回の出来事も国際的な注目を集めているのである。

ポール・マッカートニー 写真:Samir Hussein/WireImage
ポール・マッカートニー 写真:Samir Hussein/WireImage

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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