フランシス・フォード・コッポラの特注時計が約1,080万ドルで落札 ― 『メガロポリス』損失の一助に

フランシス・フォード・コッポラ監督とF.P.ジュルヌ「FFC」プロトタイプ 写真:Pascal Le Segretain/Getty Images; Courtesy of Phillips Share on Facebook Share on X Google Preferred Share to Flipboard Show additional share options
フランシス・フォード・コッポラ監督とF.P.ジュルヌ「FFC」プロトタイプ 写真:Pascal Le Segretain/Getty Images; Courtesy of Phillips Share on Facebook Share on X Google Preferred Share to Flipboard Show additional share options
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現地時間2025年12月6日、世界的なオークションハウス・フィリップスが主催するオークションがニューヨークで行われた。同イベントでは、フランシス・フォード・コッポラと時計職人F.P.ジュルヌが共同で創り上げた世界に1本だけの「FFCプロトタイプ」を含む7本の時計が出品され、コッポラが共同デザインした特注時計が、約1080万ドル(約16億円)で落札された。

この特注品は約11分間の激しい競り合いの末、電話で参加した匿名の入札者の手に渡った。結果としてこの落札額は、米国の時計オークションにおける最高額を記録した。2017年にフィリップスが俳優ポール・ニューマンのロレックス「デイトナ」を売却して以来だという。

フィリップス副会長のポール・ブートロス氏は、米『ハリウッド・リポーター』の取材に対し以下のようにコメントをしている。

「これは、映画史と時計史を代表する二人の巨匠による究極のコラボレーション作品。その重要性は計り知れない」

さらに、同氏は「世界中から注目が集まった。そして今日この場で世界記録が生まれたことは当然の結果だ」と歴史的なオークションの成功を語った。

『メガロポリス』製作費の損失後という絶妙なタイミング

また、この高額落札はコッポラ監督が最新作『メガロポリス』(2024)で大きな投資回収が課題となっていたタイミングで実現した。

製作費に約1億2,000万ドル(約186億円)も投じられた映画『メガロポリス』(2024)は、世界興行収入は約1,440万ドル(約22億円)で、興行面では厳しい結果となった。アダム・ドライバーシャイア・ラブーフオーブリー・プラザらが出演、コッポラ監督が私財を投じて製作したことでも話題になっていた。

コッポラ監督は2024年5月、カンヌ国際映画祭で『メガロポリス』のプレミア上映に臨んだ際、この一点物の時計を着用していたという。当時でも、この特注品は少なくとも100万ドル(約1.5億円)の価値があると報じられていた。

『メガロポリス』写真: AMERICAN ZOETROPE/MIHAI MALAIMARE
『メガロポリス』より 写真:AMERICAN ZOETROPE/MIHAI MALAIMARE

『メガロポリス』とコッポラの財政状況

実はコッポラ監督は2025年3月、ポッドキャスト番組『Tetragrammaton with Rick Rubin』で自身の財政状況について率直に語っている。

「『メガロポリス』の製作のために借りた資金をすべて投じたので、今は手元にお金がない。ほぼ底をついた。15~20年もすれば回復すると思うが、今はない」と、率直に現状を語っていた。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

※2025年12月8日時点の為替レートで換算

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