トランプ大統領、ケネディ・センター名誉賞授賞式で初の司会|キッス、シルヴェスター・スタローンらを称賛
現地時間12月7日(日)、第48回ケネディ・センター名誉賞授賞式にドナルド・トランプ米大統領が出席した。今年は俳優・映画監督のシルヴェスター・スタローン、歌手のグロリア・ゲイナー、ロックバンドのキッス、イギリス人俳優のマイケル・クロフォード、カントリー歌手・作詞家のジョージ・ストレイトが受賞を果たした。今年の受賞者の選出にはトランプ政権が関与している。
スタローンは『ロッキー』シリーズや『ランボー』シリーズへの出演、ゲイナーはフェミニストの賛歌「恋のサバイバル(原題:I Will Survive)」などで知られる。キッスは派手なメイクとパフォーマンスが長年人気を集めている。

ストレイトはカントリーミュージック界のリーダー的存在だ。クロフォードはブロードウェイ史上最長の公演記録である『オペラ座の怪人』の初代ファントム役を務め、第42回トニー賞ミュージカル主演男優賞を受賞した。
トランプ大統領が登壇、受賞者たちに賛辞を贈る
同授賞式において、米大統領として初めて司会を務めたトランプ大統領は、式典の冒頭で「何十億人もの人々が、長年にわたって彼らを見てきました。彼らは地球上に存在した最も偉大なアーティスト、俳優、パフォーマー、ミュージシャン、歌手、ソングライターたちです」と述べた。
トランプ大統領は式典のオープニングとエンディング、そして休憩時間後の計3回ステージに登場した。また、各受賞者に賞が贈られる際の映像にも登場し、受賞者たちを称賛した。
トランプ大統領は、スピーチで次のような賛辞を送った。「受賞者たちに共通しているのは『粘り強さ』です。彼らの中には、貧しい家庭で育った者もいます。しかし、皆さんは粘り強く、決して諦めません。時には諦めてほしいと思うこともありますが、彼らは諦めないのです」
また、スタローンが演じた役名を挙げ、「彼らの中には、語り継がれるような挫折を経験した者もいます。彼らの知名度の高さゆえ、新聞で必ず目にしたことがあるでしょう。しかしロッキー・バルボアの言葉を借りれば、彼らは『ひたすら前進し続けること』を示してくれました」と語った。
キッスが追悼パフォーマンス――受賞者たちの喜びと胸中
この授賞式は、特にキッスのメンバーにとって大きな意味を持っていた。同バンドの初代リードギタリストであるエース・フレーリーが、今年10月に転倒事故で死去したためだ。キッスのトリビュート・パフォーマンスでは、ギターに発煙筒を仕込んでいたフレーリーへの追悼として、煙を噴出する赤いギターがステージに置かれた。

スタローンは受賞スピーチで、「まるでハリケーンの目の中にいるようです。すばらしいイベントの渦中に巻き込まれてしまい、翌日まで実感が湧きません」と心境を語った。
クロフォードも「自分のキャリアの終盤に謙虚な気持ちになりました」とコメント。ゲイナーは、「受賞できたのは夢のようです。このような形で認められることは最高の喜びです」と語った。
ケネディ・センター名誉賞とトランプ大統領の関係
今年1月に誕生した第2次トランプ政権において、トランプ大統領はジョン・F・ケネディ舞台芸術センターの理事長に就任した。それ以降、同センターの演目から「ドラァグショーやその他の反米プロパガンダ」を排除してきた。また第1次政権時には、ケネディ・センター名誉賞の授賞式に出席することはなかった。
今年の授賞式で、トランプ大統領は受賞者を称賛する一方で、批判的な面も覗かせた。「客席には、私の知っている人がたくさんいる。心から愛して尊敬している人もいるが、ただただ憎い人もいる」と意味深長なコメントも残した。
休憩時間後のスピーチでは、トランプ大統領が立ち上げた同センターの改修プロジェクトのうち、いくつかを視察したことを明かした。
授賞式前日に行われた晩餐会で、トランプ大統領は「あるテレビ局の要請」で司会を務めることになったと明かした。授賞式の模様は、現地時間12月23日(火)にCBSとParamount+で放送される。トランプ大統領は「今年の授賞式は、過去最高の視聴率を記録するでしょう」と宣言した。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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