【訃報】俳優ピーター・グリーンが死去|ニューヨークの自宅で発見、死因は未公表
『パルプ・フィクション』や『マスク』などで知られる俳優ピーター・グリーンが死去した。享年60。
米『ハリウッド・リポーター』によれば、グリーンは現地時間12月12日(金)、ニューヨーク市ロウアー・イーストサイドにある自宅アパートで亡くなっているのが発見されたという。マネージャーが明かしたもので、死因は現時点では公表されていない。
長いキャリアの中で数多くの作品に出演したグリーンは、スクリーン上では悪役を演じることが多かった。クエンティン・タランティーノ監督の1994年のアカデミー賞受賞作『パルプ・フィクション』では、冷酷非道な警備員ゼッド役を怪演し、強烈な印象を残した。

また、『マスク』(1994)ではジム・キャリー演じる気弱な銀行員スタンリー・イプキスの宿敵となるギャング、ドリアン・タイレル役を演じ、物語の中心的な敵役として存在感を放った。
ニュージャージー州出身のグリーンは、20代半ばで俳優業をスタートさせた。1990年放送のテレビシリーズ『ハードボール』でクレジット付きの初出演を果たし、1992年にはイーディ・ファルコと共演した映画『ロウズ・オブ・グラヴィティ(原題:Laws of Gravity)』でスクリーンデビューを飾った。

その後も映画・テレビを問わず幅広く活躍し、『ジャッジメント・ナイト』(1993)、『クリーン、シェーブン』(1993)、『ユージュアル・サスペクツ』(1995)、『ブルー・ストリーク』(1999)、『トレーニング デイ』(2001)などに出演。テレビでは『ロー&オーダー』や『ザ・ブラック・ドネリーズ(原題)』、『JUSTIFIED 俺の正義』(2010)の第1話冒頭で重要な役を演じたほか、『ジョン・ウィック』の前日譚シリーズ『ザ・コンチネンタル:ジョン・ウィックの世界から』(2023)や、2025年の『ドープ・シーフ』にも登場した。
今後もミッキー・ロークと共演する映画『Mascots(原題)』や、ドキュメンタリー『From the American People: The Withdrawal of USAID(原題)』への参加が控えていた。同作ではナレーションと共同プロデュースを務めており、ジェイソン・アレクサンダーやキャスリーン・ターナーも関わっていたという。
マネージャーのグレッグ・エドワーズは、米『ハリウッド・リポーター』に対し、「彼は、アメリカがUSAID(米国際開発庁)を解体した結果、世界中で起きた数多くの死に光を当てることに強い情熱を注いでいた」と語り、グリーンを「地球上でもっとも優れたキャラクター俳優の一人」と称賛した。
さらにエドワーズは、「彼は身につけているシャツでも差し出すような、心から優しい友人だった。多くの人に愛され、そして惜しまれる存在だ」とその人柄を偲んでいる。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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