エリック・デイン、娘たちへ伝えた“今を生きる”教えとは?ALS闘病と家族への想い|Netflixインタビューで語る
『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』の“マクスティーミー”ことマーク・スローン役で一世を風靡し、『ユーフォリア/EUPHORIA』では複雑な父親像を演じたエリック・デインが、ALS(筋萎縮性側索硬化症)との闘病の末に53歳で死去。その直前に収録されていたNetflixのインタビューシリーズ『Famous Last Words(原題)』が配信され、2人の娘へ向けた“最後の言葉”が大きな反響を呼んでいる。

エリック・デインから娘たちへ…「今を生きて」
番組は、著名人が人生とキャリアを振り返り、未来へメッセージを残す長編対談シリーズ。デインの回では、テレビ脚本家ブラッド・ファルチャックとの対話を通じ、俳優としての成功と挫折、家族への思いを率直に語った。
終盤、彼はカメラに向かってこう切り出す。
「ビリー、ジョージア。この言葉は君たちのためだ。僕は何度もつまずいた。でも挑み続けた。楽しい時間をたくさん過ごしてきたね」
妻レベッカ・ゲイハート、そして16歳のビリーと14歳のジョージア。サンタモニカやハワイ、メキシコでの思い出を振り返る場面では、声を詰まらせる瞬間もあった。
彼が娘たちに伝えた教えは大きく4つ。その核心は「現在を生きること」だ。
「後悔に囚われ、自己憐憫や疑念に時間を費やしすぎた。過去は後悔、未来は未知。だから“今”を生きなければならない。今この瞬間こそがすべてだ」
愛と友情、そして“しなやかな強さ”
エリック・デインはまた、人生における“愛”の重要性も説く。ただし、それは必ずしも恋愛に限らない。彼にとって“愛”の象徴は演技だったという。
「演じることが僕を暗闇から救ってくれた。仕事は自分を定義するものではないが、心を躍らせてくれる」
さらに、友人を大切にすることの意味にも触れた。
「自分の“仲間”を見つけ、彼らにも見つけてもらいなさい。無条件で支え合える関係を築いてほしい」
ALSの進行で外出も難しくなった晩年、友人たちは彼のもとに集い、共に食事や音楽を楽しんだという。「特別なことはしない。ただ“そこにいる”こと。それが何より大きい」と語る姿は、多くの視聴者の胸を打った。
最後に娘たちへ贈った言葉は、逆境に立ち向かう“尊厳”だった。
「予期せぬ困難は必ず訪れる。そのときは正直さと誠実さ、そして気高さをもって立ち向かいなさい。顔を上げて戦うんだ」

父の死と自身の葛藤
番組前半では、幼少期に経験した父の自死、アルコール依存や処方薬依存との闘い、うつ症状による休養なども赤裸々に語られた。7歳のとき、アルコール依存に苦しんでいた父を銃による事故で亡くした経験は、彼の人生に深い影を落としていたという。
「トラウマは消えないが、向き合い方を学ぶことはできる」
2011年には治療施設に入り、2017年にはドラマ『ザ・ラストシップ』を一時離脱。私生活ではレベッカ・ゲイハートとの離婚危機を経て、近年は関係修復を図っていた。
“マクスティーミー”の遺したもの
エリック・デインは人気医療ドラマ『グレイズ・アナトミー』で10シーズンにわたり活躍し、テレビ史に残る人気キャラクターを確立。近年は『ユーフォリア/EUPHORIA』で新境地を開いた。
Netflixの『Famous Last Words』は、デンマーク発フォーマットを基にしたインタビューシリーズ。米版では霊長類学者ジェーン・グドールの回に続くエピソードとして配信されている。
華やかなスターの裏側にあった葛藤と、家族への深い愛。エリック・デインが遺した言葉は、俳優としてのレガシー以上に、人生そのもののメッセージとして心に響く。
※本記事は英語の記事を抄訳・要約しました。
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